この日が訪れることを、一体誰が想像できただろうか? 1984年のデビューから実に30年、今ではデフォルトとなっている「ロックとデジタルの融合」の最先端を突き進み、日本の音楽シーンに多大な影響を与え続けてきた奇跡のトライアングル=TM NETWORK、COUNTDOWN JAPANに初登場! ステージ下手に木根尚登(G・Vo)、舞台上手の要塞の如きキーボード・ブースに小室哲哉(Key・Syn・Vo)、センターに宇都宮隆(Vo)がサポート・メンバーとともにスタンバイ、感激に浸る間もなく“Be Together”がスタート! 身体も心も目映く染め上げるようなシンセ・サウンド。幕張メッセの空間をパワフルに揺さぶる木根のギター。そして、80年代から現在に至るまで蒼さと瑞々しさを体現し続ける宇都宮のヴォーカル……日本のロック/ポップ・ミュージックの歴史とCOUNTDOWN JAPANが重なり合った決定的瞬間だ。そして、10月にリリースされた7年ぶりのオリジナル・アルバム『QUIT30』から“Alive”を披露。小室が奏でる、EDM的なウォール・オブ・シンセサイザーの響きとともにマッシヴな音世界を展開、広大なEARTH STAGEの空間を熱く震わせていく。

「どうもこんばんは! TM NETWORKです。短い時間ですが、最後までよろしく、です!」という宇都宮の挨拶に続けて、『QUIT30』からもう1曲“I am”へ。今この時代の真ん中を堂々と闊歩するようなタイトなビートと、シンフォニックな響きを帯びたデジタル・サウンドが、宇都宮の凛とした歌声とともに壮大な音風景を描き出していく。さらに、1988年の名盤コンセプト・アルバム『CAROL』から“STILL LOVE HER (失われた風景)”のイントロが流れた瞬間、EARTH STAGEを埋め尽くしたオーディエンスからうおおおっと驚きと歓喜の声が上がる。ダブルネックのアコギとブルースハープを操って曲に色彩感を与えていく木根。ファンタジックな輝度に満ちたサウンドを繰り出す小室。そして、一面のシンガロングとハンドウェーブを巻き起こしていく宇都宮の歌声……至福の時間は刻一刻と濃密さを増していく。

多数セッティングされた鍵盤をフルに使用した小室のシンセ・ソロが特効の花火でエンディングを迎えたところに鳴り響くのは“Get Wild”! ロックの衝動をどこまでもハイパーな訴求力をもって響かせてきたTM NETWORKの象徴のようなヒット・ナンバーが、2014年の今、数万人のオーディエンスを熱いシンガロングへと巻き込み、メッセをでっかく揺らしていく。COUNTDOWN JAPANに重要な1ページを刻んだステージは名曲“Self Control”でフィナーレ! ショルダー・キーボードを構え、ステージ袖へ歩み寄ってアピールしたり、最後にはセッティングされていたシンセを外して担ぎ上げ、ステージ前面でド派手なノイズを振り撒いて……といった場面から滲む小室のクールな野性が、ひときわ大きな拍手と歓声を呼び起こしていった。(高橋智樹)




この4日間の模様を凝縮した別冊付録を、「ROCKIN'ON JAPAN3月号(1/30発売)」に封入! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。

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