ASTRO ARENAにはCOUNTDOWN JAPAN初出演:Kalafinaが登場! 開演SEのファンタジックな音像の中、バンド・メンバーがスタンバイ、続いてKeiko/Wakana/Hikaruがステージに歩み出て“storia”へ流れ込むと、これまでCOUNTDOWN JAPANが体験したことのない透徹した音空間――いや歌空間が広がっていく。天翔るような高音の響きを放つWakana。エモーショナルかつ華やかなヴォーカリゼーションを聴かせるHikaru。そして、3人の中では比較的低いパートを、豊潤さと力強さに満ちた声で彩るKeiko。類稀なる才能を備えた3人のシンガーが、フレーズによってリード・ヴォーカルを交代しながら、至高のハーモニーを聴かせていく――彼女たちのアクトを初体験のオーディエンスも多かったようだが、その清冽な歌が何よりもリアルに「Kalafinaとは何か」を物語っていた。

「COUNTDOWN JAPANに初めてやってまいりました。最後までどうぞよろしくお願いします!」というWakanaの挨拶から“ひかりふる”へ。Wakana独唱の静謐なイントロから、目映いばかりのクライマックスへと昇り詰めるコーラスのタペストリーが、ASTRO ARENAの空気を純白に染め上げ、観客は魔法にでもかかったように身動きも忘れてそのハイ・クオリティな歌の風景に魅入られている。3人のハーモニーの重なり方によって、時にシルクのようにやわらかく響いたかと思えば、ロック感の強いナンバー“believe”“音楽”ではアグレッシヴかつ硬質なインパクトをもって、是永巧一(G)らによる分厚いバンド・アンサンブルを鮮烈に貫くように響いていく。歌とハーモニーはどこまで美しく、神秘的な世界を描き出すことができるか?という麗しき挑戦の如き3人のアクトが、1曲ごと/1フレーズごとにオーディエンスを音楽の桃源郷の奥深くへと導いていく。「さすが年末に、音楽好きが集まるイベントですね。どんどん、じわじわノってくる感じが最高でした!」と語りかけるKeikoも満足げだ。

一部の隙もない歌を聴かせる一方で、「Wakanaは鮫好き」などそれぞれのキャラクターを垣間見せるMCでASTRO ARENAを心地好く和ませる3人。今日が今年の歌い納めというKeiko/Wakana/Hikaruが、最後にひときわ美しく響かせたのは“アレルヤ”。1年を締め括る祝祭空間にはこれ以上ない、福音そのもののようなハーモニーが、荘厳なまでの華麗さをもって、観る者すべての身体と心を満たしていった。(高橋智樹)




この4日間の模様を凝縮した別冊付録を、「ROCKIN'ON JAPAN3月号(1/30発売)」に封入! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。

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