「みなさんもウォーミングアップしていいですよ!」、サウンドチェックの段階からやる気満々だった藤森元生(Vocal/Guitar)、森野光晴(Bass)、木村浩大(Drums)。そして迎えた本番。元気いっぱいに飛び出してきた3人を大きな歓声が迎える。「いらっしゃいませ! 飛ばしていきます!」と言ってスタートした1曲目“ミュージックプランクトン”。シャープに刻まれるビート、仄かに哀愁を帯びたエモーショナルなメロディ、朴訥としたトーンなのに不思議と熱い藤森の歌声……SAKANAMON節とも言うべきサウンドが思いっきり炸裂! その勢いのまま突入した“幼気な少女”は、フロアの全面で手拍子をする人々の汗ばんだ掌がキラキラ煌めく。実に清々しいオープニングであった。

途中で“お正月”へとふと転じて盛り上げた“空想イマイマシー”の後に迎えたインターバル。「あと5分くらいで来年なんですよ!」と、居ても立ってもいられない様子の藤森。それに対して「君、気づいたら年越してるとかありそうだから気をつけて」と、集まったファンも非常に心配していたに違いないことを口にして笑いを誘った森野……そんな賑やかなやり取りを経て始まったカウントダウン。2015年を迎えた瞬間、「せーの!」という合図で皆が叫んだ「あけましておめでとう!」という声は、実に晴れやかだった。そして、始まった新年一発目のナンバーは“マジックアワー”。フロア目がけてものすごい数のカラフルな風船が降り注ぎ、人々は歓声を上げていた。

アクの強い表現が連発されつつも、不思議と感動的だったSAKANAMON流ラブソング“君の○○を××したい”。その次に突入したインスト曲“AGEINST”は、木村が「ア!」と叫び、観客が「ゲ!」と返すコール&レスポンスがやたらと楽しい。「『2015年どうやって迎えた?』って訊かれたら『ライブで“ゲ!”って言ってた』って答えれば? 5年くらい使えるネタになるぞ~」と木村は曲中で言っていたが、本当にいろんな人に自慢したくなるくらいの盛り上がりとなった。

「2015年も社会のしがらみに苦しむ人に送りたいと思います」と藤森が言って “カタハマリズム”。熱く高鳴るサウンドがCOSMO STAGEを爽やかに染め上げ、再び迎えたインターバル。「『あげあげ』を流行語大賞にしたい!」などとワイワイ話し合いつつも、さらにバンドとして前進する意欲も語られ、“TOWER”がスタート。途中でハンドマイクとなった藤森が歌いながら激しく手を振り、観客を盛り上げまくる。「今年こそ彼氏を作る女子!」「今年こそ童貞を卒業する男子!」「2015年もSAKANAMONを応援してくれる人!」などとチーム分けをしつつ歌声を誘い、最後に全観客が一丸となった大合唱を呼び起こしていた。そして、ラストを飾ったのは“アリカナシカ”。人々の間に広がったダンスと手拍子が力強い。ここに集まった皆が、2015年を力強く進んでいくための力をたっぷり受け取っていたに違いない。(田中大)





この4日間の模様を凝縮した別冊付録を、「ROCKIN'ON JAPAN3月号(1/30発売)」に封入! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。

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