3日目EARTH STAGE、二番手はくるり! 今年9月にリリースされた最新アルバム『THE PIER』のオープニング・ナンバー“2034”がSEで流れる中、静かに舞台に歩み入る岸田繁(Vocal, Guitar)/佐藤征史(Bass, Vocal)/ファンファン(Trumpet, Keyboard, Vocal)、そして福田洋子(Drums)/松本大樹(Guitar)/野崎泰弘(keyboards)/ゴンドウトモヒコ(Euphonium etc.)。曲の途中から“2034”を生演奏でシンフォニックかつ豊潤に響かせた後、さらに『THE PIER』から“Liberty&Gravity”を披露。トラッド・ミュージック/ディスコ/ヒップホップ/祭囃子など多彩な要素が伸びやかに咲き乱れ、マジカル&トリッピンな高揚感を生み出しながら、広大なEARTH STAGEの隅々にまで広がっていく。そこからファンファンのトランペットとともに流れ込んだ“ロックンロール・ハネムーン”の清冽な開放感。イントロが鳴った瞬間に自然にクラップが沸き起こった“ワールズエンド・スーパーノヴァ”の、タイトなビート/コーラスのハーモニー/幾重にも織り重ねられた音のタペストリーが描き出すセンチメントと高揚感……ポップの魔法そのもののような空気感が、1音また1音と濃密さを増していく。

「元気? ぎょうさんきてくれたわ」と、満場のオーディエンスに飄々と語りかける岸田。「お客さんにも見せてあげたいね、この景色」と応じる佐藤に「数の子みたいやで!」と返す岸田。フロアに笑いが広がる。“ばらの花”のイントロに歓喜のクラップで応えていた観客も、その珠玉のメロディと目映いばかりのアンサンブルに魅入られたようにじっと聴き入っている。そこから一転、颯爽と駆け出すビートとともに“everybody feels the same”へ。遮るもののない見果てぬスケール感に満ちた音像と、胸のすくような疾走感が渾然一体となって、EARTH STAGEを感激で心地好く揺らしていく。「ミュージシャンは年末はヒマやったんや。でも、こういうフェスができたおかげで、年末も働けるようになったよ。また来年、どっかで会ったら遊んでください!」(岸田)と語りかけながら、『THE PIER』からもう1曲“There is(always light)”へ。《There is always light behind the clouds》というフレーズが、眩しいほどに美しいハーモニーとともに、残り少ない2014年と来るべき2015年への福音の如く響き渡った。

サポート陣を送り出した後、メンバー3人だけが残った舞台で、「じゃあ最後に、一足早い年越しそばみたいな曲を……」と岸田が弾き語りで歌い始めたラスト・ナンバーは“奇跡”。ひとつたりとも無駄のない3人の音の粒が、「日常という名の奇跡」を温め祝福するように、ゆっくりじっくりと数万人の心に染み渡って……終了。すべての音が止み、3人揃って一礼する姿に、惜しみない拍手が降り注いでいった。(高橋智樹)



この4日間の模様を凝縮した別冊付録を、「ROCKIN'ON JAPAN3月号(1/30発売)」に封入! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。

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