COUNTDOWN JAPANには実に5年ぶりの登場となるGRAPEVINE。SEもないまま登場したメンバー。オーディエンスたちが拍手で迎え入れるとそれを見た田中和将(Vocal,Guitar)が自ら先導してハンドクラップを煽る。そして鋭利なカッティングとともに1曲目“Reverb”を歌い始めた。田中/西川弘剛(Guitar)/亀井亨(Drums)に、おなじみのサポートメンバー:金戸覚(Bass)/ 高野勲(Keyboards)を加えた黄金の布陣。一切無駄のないシンプルながらタイトで、しかししっかりと熱量のこもったサウンドは、そこに阿吽の呼吸があるからこそ成し得るものであろう。

「改めましてこんばんは、GRAPEVINEです」と一言だけ挨拶したらすぐに次の曲へ。ときにシャウトしながら歌い進めていく田中のヴォーカルも、ビリビリとした感触を持ちながら熱量を放つバンドのサウンドも、聴き手一人ひとりの心のなかに深い切り傷を刻み込むかのよう。「ジャパン関連は久しぶりなんですよ。ありがとうございます。二度と今年にお前らと会うことはないと思うので(笑)来年もよろしくお願いいたします。(オーディエンスの)顔も見納めや。しっかり見て帰るわ」とフロアを満たす人々に手を振る田中。そしてこの季節にぴったりな“Our Song”を届けたのだった。そのあと集まった人々に改めてレーベル移籍について報告。さらに年明け1月にリリースされるアルバム『Burning tree』の告知を挟みつつ、そのアルバムに収録される“KOL(キックアウト ラヴァー)”“Empty song”を披露してくれた。ゆったりとした動きのベースライン・軽快なリズム・ノイジーなギターが不可思議な重なり方をする“KOL(キックアウト ラヴァー)”。サビで視界が一気に開け、圧倒的な光を放っていく様子が痛快な“Empty song”。異なるアプローチの2曲だが、どちらも聴き手をさらに奥深く、深淵なる音楽世界へと誘っていくかのようで、まるで呪文にかけられたかのようにじっと聞き入るオーディエンスの姿が目立つ。そしてラストの“光について”でライヴは終了。音が鳴りやむ最後のその瞬間まで底のない世界に呑み込まれっぱなしだったからか、あっという間に感じたアクトだった。(蜂須賀ちなみ)





この4日間の模様を凝縮した別冊付録を、「ROCKIN'ON JAPAN3月号(1/30発売)」に封入! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。

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