スタート前から大勢のオーディエンスが詰めかけるCOSMO STAGE。これから登場するのは、名古屋を拠点に活動する6人組・チームしゃちほこ! 今年8月に、路上デビューからわずか2年で初の日本武道館単独ライヴを大成功させ、冠番組もスタート……と、2014年、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いの彼女たちが、2度目となる年末の幕張のステージに立つ。
場内が暗転すると同時に大歓声が沸き起こり、恒例の出囃子に合わせての大きな手拍子とコールが6人を迎え入れる。ひとりずつ手を振りながら現れる秋本帆華、咲良菜緒、安藤ゆず、大黒柚姫、坂本遥奈、伊藤千由李。高まる期待感の中、1曲目に放たれたのは“トリプルセブン”だ。全身を躍動させて踊りながらも千由李が冒頭の歌詞を「幕張からこんにちゆ」とアレンジして披露するなど、ある種の余裕も感じさせるパフォーマンスで、いきなりCOSMO STAGEのテンションは最高潮に。遥奈のソロダンスもキレキレである。更に、帆華とフロアの掛け合いで始まった定番曲“乙女受験戦争”で畳みかける、冒頭から攻撃的なセットリストだ。
しかし、今日のしゃちほこはすごい。頭を振り乱して足を高く上げてのダンスはいつもより熱っぽいし、6人とものヴォーカルがひときわ力強く、貫録さえ感じるほどだ。Zeppツアー、武道館公演、ホールツアーと駆け抜けてきた2014年、「ももいろクローバーZ、私立恵比寿中学の妹分」という枠にはもはや収まりきらない、彼女たち独自の最強のスタイルを獲得したのだということがひしひしと伝わってくる。
アルバム『ひまつぶし』収録の、Base Ball Bear・小出祐介が作詞・作曲を手掛けた“colors”では一転、爽やかなギターロックに彼女たちらしいコミカルな振り付けで会場を晴れやかな雰囲気に包み込むと、新しい年への決意を込めるように“It's New 世界”を歌い上げ、早くも最後の曲に差し掛かる。ここで、「フードコート!! これは今年最後のしゃちほこの歌なんで、来ないと後悔するよ!!」とステージの外へ呼びかける柚姫。そのまま“抱きしめてアンセム”へと突入。「もうどうにもとまれなーーい!!」とシャウトにも近い熱唱を披露する菜緒、ステージ横のカメラに満面の笑みで愛嬌をふりまくゆず……と、最後の最後まで彼女たちらしく、かつ全力な6人のパフォーマンスに会場も熱狂し、COSMO STAGEを会場一丸のダンス空間にして大団円を迎えた。
2014年の活躍をもってしてもなお、“抱きしめてアンセム”の歌詞どおり、《完成形はまだ未定》《足りない足りない モノたんない》ともっと先の風景を目指し進み続けるチームしゃちほこ。年明け一発目=1月3日の2度目の愛知県体育館ライヴ(なんと今回は360度ステージ)「鯱詣2015」も既にソールドアウトしている彼女たち。2015年もどんどん躍進していくことを確信したステージだった。(塚原彩弓)
この4日間の模様を凝縮した別冊付録を、「ROCKIN'ON JAPAN3月号(1/30発売)」に封入! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。