レポート一覧
ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2014 公式サイト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る



暑さも一段落して、心地良い風が火照った身体を撫でるSOUND OF FORESTには、その爽やかさとは相反する不穏さを持つギターノイズが電流の如く走っていた。まるで日焼けした肌に熱湯をかけたときのような、ひりつく音を鳴らすART-SCHOOLだ。

SEに合わせたハンドクラップに迎えられて戸高賢史(Gt)、藤田勇(Dr)、中尾憲太郎(Ba)が順に現れる。そして最後にステージに現れたのは、ジャケット姿の木下理樹(Vo/G)だ。

藤田の大振りなカウントと共に鳴らされたのは、往年のキラーチューン“ロリータ キルズ ミー”。突き刺さるようなサウンドが、会場を吹く風の早さに負けないような疾走感と共に真っ直ぐに駆け抜ける。さらに“Promised Land”、“スカーレット”と、楽曲を重ねるごとにさらに熱量を上げていく。

そして「コーラスをひとり、ゲストでお呼びしたいと思います」という木下の声に呼ばれたのは、真っ赤な衣装に身を包んだucary valentine。演奏されたのは、今年4月に約2年振りにリリースされたアルバム『YOU』より、タイトル曲“YOU”。ART-SCHOOLが描き出す繊細な音の世界を、少女の声に近いあどけないucary valentineの高音が立体的に浮き出していた。

ucary valentineがステージを去った後、さらにもうひとりゲストとしてラッパー環ROYが登場。演奏されたのは、“革命家は夢を観る”。「やたら僕のこと見るよね」と木下が環ROYに突っ込んだりと、共に楽曲を作り上げた友人とステージに立ってリラックスしたことが感じられるのが印象的だった。

しかし、そんな雰囲気も一変。「ここから、暴力的な曲しか演らないので、暴力的についてきてください」という、淡々とした木下の声を遮ったのは、腹をおもいっきり殴られたかのようにずしんと響く中尾の極太なベース音だった。そこから始まった“UNDER MY SKIN”、“FADE TO BLACK”は、まさに暴力。楽器が暴れたくて仕方がないと叫んでいるかのような、悲鳴にも似た戸高のギターフレーズが耳に突き刺さり、ラストの“あと10秒で”の爆音の余韻が残る中、4人は静かにステージを後にした。(峯岸利恵)




この4日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2014」は9月13日発売予定です! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る
ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2014 フェス公式アプリ配信中!
ROCK IN JAPAN FESTIVAL HISTORY

よく読まれている
邦楽トピックス

もっと見る