チャットモンチー | ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2014

3日目のGRASS STAGEも、はや後半戦に差し掛かるというところで、約1年半ぶりのステージとなるチャットモンチーが登場だ。橋本絵莉子の出産というめでたいニュースを経て、彼女たちは今日、どんな新しい物語を綴ってくれるのだろう。期待感が立ち籠めたフィールドに鳴り響くのは、“変身”のgroup_inouによるリミックス・ヴァージョン“変身（GLIDER MIX）”だ。えっちゃんはスカイブルー地に白抜きで「We Are Back!!」の文字が踊るフラッグを振りかざし、大歓声を巻き起こしながら登場。鮮烈なギター・サウンドが轟くと、福岡晃子も同様にフラッグを振り、更にサポートメンバーとしてドラマーに恒岡章、キーボードにはシモリョーこと下村亮介が位置に着き、あっこがベースを握る編成で“ハテナ”が繰り出される。これにはさすがに驚かされた。続いて、「私たちは、日本のロック・バンドです」とリヴァーブがかかった影アナが入ると、４つ打ちビートにあのファンキーなベース・イントロが加わって“シャングリラ”へ。そして今度はシモリョーがベースを手に取り、あっこはスタンディング・パーカッションを叩くポジションに付いて“風吹けば恋”という展開である。

「あらためまして、チャットモンチーでーす！　えへへへ……ただいま（橋本）」「ただいまー!!　涼しくなって良かったなあ!!（福岡）」「ROCK IN JAPANは2年振りで、その間にいろいろあって……あ……ありがとう。全然、隠してたわけじゃないんよ!?　言わなかっただけで（橋本）」と、挨拶しつつシモリョー＆ツネさんを紹介すると、「えっちゃんが、最初にコピーしたバンドのドラマーと一緒にやってる（笑）。夢は諦めたらあかんで！（福岡）」というメッセージも投げ掛けられ、つい先頃オフィシャルHP上で試聴がスタートした、ダブルＡ面シングルの新曲2曲へと向かう。2人の掛け合いヴォーカルが鮮やかに映える“いたちごっこ”と、「速いで速いでー！」という予告通りにかっ飛ばす“こころとあたま”だ。オープニングで用いられた“変身（GLIDER MIX）”もニュー・シングルに収められることを告知すると、「あらためて、えっちゃんおめでとー！　じゃあ、皆さんにも幸せのお裾分けソングということで（福岡）」と“コンビニエンスハネムーン”が披露されるのだった。

フィールドが幸福のヴァイブに満たされると、今度は一転、チャットモンチーのエモーショナル・サイドが青白く燃え上がるような展開へ。シモリョーのピアノに導かれた“世界が終わる夜に”でふたりのハーモニーが高まり、そこから再び力強いグルーヴを生み出しながらの“親知らず”を披露すると、あっこは11/21にデビュー9周年のイベントを開催することを告知し、「これからも驚かせることがあるかもしれないから、チャットモンチーをお見逃しなくー！」と告げ、最後には4ピースの重厚な、迫力のアンサンブルで“恋愛スピリッツ”が届けられる。そう、日本のバンド、チャットモンチーは、いつだってこんなふうに、幸せと驚きを提供し続けてきたバンドなのだ。（小池宏和）