早くも中間点に差し掛かった最終日GRASS STAGEを熾烈なる狂騒と祝祭の坩堝へと叩き込んだのは9mm Parabellum Bullet! 2007年から8回連続ROCK IN JAPAN FESTIVAL出演&6回目のGRASS STAGE出演となる9mm、いきなりヘヴィ・ディスコ・ロック“Discommunication”のダイナミックなビートとアンサンブル&ミステリアスに心騒がせる菅原卓郎(Vocal and Guitar)の熱唱で、あたり一面ダンスとクラップの渦へと巻き込んでいく。“The Revolutionary”の爆走感がオーディエンスの衝動と共鳴し、「まだまだいけるだろ! 後ろの方のやつらも、みーんなまとめて仲間入りさせてやるぜ!」の卓郎の絶叫とともに流れ込んだ“Black Market Blues”の狂騒感に、大地がでっかく揺れる。7月に結成10周年記念の初ベスト・アルバム『Greatest Hits』をリリースし、「1曲1曲どれを取ってもロック最終兵器」な存在感を改めて提示してみせた9mm。初期曲から最新シングル曲“Answer And Answer”までキャリアを幅広く網羅したこの日の楽曲群も、この上なくダイレクトな訴求力と爆発力をもって身体と心に飛び込んでくる。かみじょうちひろ(Drums)のツーバス・ドラムがひたちなかの空気をびりびりと震わせ、中村和彦(Bass)の重低音がオーディエンスを腰から揺らし、時にステージを転げ回りながら滝 善充(Guitar)はエッジ感のカタマリのようなフレーズと轟音を照射する……メタルもハードコアも歌謡魂も完全に血肉化した果てに、4人が10年越しで磨き上げてきたロック黄金律が、途方もないスケールで鳴り渡っていく。最高だ。「ヘイ! 俺たちのGRASS STAGEへようこそ!」という卓郎のコールが心地好く胸に響く。
「次にやる曲は、俺たちの新曲です。心の扉を全開にして聴いてください!」という卓郎の紹介から、9月10日に配信リリースされる新曲“生命のワルツ”へ。ロマンチックでドラマチックなメロディが痺れるような爆音とともに弾け回る、戦慄のスラッシュ・ワルツ・ナンバーが、9mmの「その先」の風景を鮮烈に描き出していく。“Supernova”“黒い森の旅人”で会場の空気をさらにエモーショナルに染め上げた後、「今日ここに何万人もの人が、同じ目的のために集まってるわけじゃん? 俺たちにはそういうことができるんだよ。みんながそういうエネルギーを回りの人に振り撒けたらいいなと思って音楽やってます!」と語りかける卓郎。「いちばんの強敵はさ、自分の弱さだと思うんだよ。そういうものと闘うために、俺たち残りの曲もがつんがつんと演奏するんで。持って帰ってください!」という言葉に、熱い拍手が広がったところへ、続けて「でも、今言ったことを要約すると、みんなのハートに火をつけたいだけだっていうことになるよね。いけるか、ひたちなか!」――大歓声の中で轟いた“ハートに火をつけて”から、徹頭徹尾クライマックスの如きアクトはさらなる高みへと昇り詰めていく。“Vampiregirl”“新しい光”に湧き起こる圧巻のシンガロング。“Punishment”の高速ビートをさらにタイトに加速させてみせる、4人のプレイアビリティの強靭さ。どこまでも凄絶に、痛快に、己の進化をGRASS STAGEに響かせていった9mm。ラストの“Talking Machine”でひときわ熱くフィールドを揺らして……至上のステージは終了。舞台の端から端まで歩き回ってオーディエンスに感謝を伝えていくメンバーの姿に、拍手と歓声が広がっていった。さあ、GRASS STAGEはいよいよ後半戦へ!(高橋智樹)
この4日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2014」は9月13日発売予定です! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。