Northern19のパワフルなアクトから一転、PARK STAGEに艶やかでディープな時間が訪れる。ギター+ベース+ドラム+キーボードのバンドセットとともに手を振りながら登場したのはこの男、中田裕二だ。「僕が日本一愛するロックバンドの歌を唄います」と、6月にリリースしたカバーアルバム『SONG COMPOSITE』にも収録されているCHAGE and ASKAの楽曲“恋人はワイン色”からライヴは始まる。上下紺色の衣装でフォーマルな装いの中田の艶やかな歌声が真昼のPARK STAGEをゆったりと酔わせていく。「昼間っからアダルトですみません!」と不敵な笑みを浮かべていた中田。キーボードのきらびやかなイントロから始まる“リバースのカード”など、「ソロになって3回目の出場になるんですけど初めてバンド形式です。最高な大人のグルーヴを楽しんでいただけたらと思っています。どうぞよろしくお願いいたします!」という宣言どおりにジャジーに情熱を奮わせながら熱唱を重ねていく。これには集まったオーディエンスも、「ヒュゥゥゥー!」と黄色い歓声を上げたり、ゆるやかに体でリズムをとったりといった具合だ。
ハンドマイク片手にステージ上を練り歩きながら唄いあげた、椿屋四重奏の名曲“恋わずらい”でその情感をさらに溢れさせると、「どうだい? 大人に見惚れたかい!?」という言葉に対して沸き上がる歓声。「真っ昼間ですけど、真夜中の曲を唄います。あの曇り空の向こうに飛んでいこうぜ!」と突入した“MIDNIGHT FLYER”では何度も「ジャパーン!」と歌詞中に挿入するサービスっぷりだ。そして“DANCE IN FLAMES”でサポートメンバーとともに火花散るアグレッシブな演奏でフィールドを揺らして終了。サポートメンバーと手を繋いで深々とお辞儀をしたあと、「ありがとう、ジャパーン!」と叫んでから中田は去っていった。(蜂須賀ちなみ)
この4日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2014」は9月13日発売予定です! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。