「ROCK IN JAPAN、初出場。最高に楽しもう！」との寺中友将(Vo./Gt.)のMCに、PARK STAGEから大歓声が巻き起こる。ROCK IN JAPAN FESTIVAL初出場にして、初日のPARK STAGEのトリを飾るKEYTALK。リハーサル時からたくさん詰めかけていたオーディエンスは、すでにフィールドいっぱいに集結している。“パラレル”でライヴをスタートすれば、八木優樹(Dr./Cho.)の硬質なビートがPARK STAGEを痛快に揺らしていく。素朴でエモーショナルな首藤義勝(Vo./Ba.)の歌と、透明でセンチメンタルな寺中の歌声。そしてツインヴォーカルにも劣らないほどの存在感あるフレーズを響かせる小野武正(Gt./MC/Cho.)と、このバンドは個性の塊だ。そんな4ピースが織り成すアンサンブルに喰らいつこうと、夕暮れ後のPARK STAGEはオーディエンスの熱気に包まれる。

オーディエンスの無数の手が掲げられた“sympathy”、圧巻の牽引力でフィールドを揺らす“コースター”と、KEYTALKのライヴは息もつかさぬほどの迫力とスリリングさだ。かと思えば、「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2014、調子はどう？ ぺーイ！ ぺーイ！ ぺーイ！」という小野の妙にテンションが高く軽いMCがオーディエンスを弛緩させていく。八木も「あス！」とひと言だけ発するなり、怒濤のドラムソロを繰り広げる。フィールド中のオーディエンスが飛び跳ねながらハンドクラップした“太陽系リフレイン”と“fiction escape”の盛り上がりは壮観のひと言。ROCK IN JAPAN FESTIVAL初出場にして、もはや貫禄すら漂うほどの力強さ、スケール感である。

オーディエンスの「わっしょい！」の声がフィールド中を貫いた“MABOROSHI SUMMER”でクライマックスを描くと、再び小野のぺーイタイム。ぺーイのコール＆レスポンスは大盛況だ。何の説明もなく「ぺーイ」と連呼する小野も小野だが、何の疑いもなく盛り上がってしまうオーディエンスもすごい。ラストを“トラベリング”で締めると、アンコールに応えて再びステージに登場する4人。「このステージに立ててすごく光栄です。僕らの憧れのフェスなので、感慨深いところがあります。最高だよ、お前らは！」と感傷を振り払うように首藤が叫ぶと、大ハンドクラップとオイコールに迎えられた“夕映えの街、今”でフィナーレ。初のROCK IN JAPAN FESTIVALのステージで、切れ味鋭いアンサンブルで躍動感したKEYTALK。4人の個性がぶつかり合うそのサウンドは、PARK STAGEいっぱいに集まったオーディエンスの胸に、鮮烈なインパクトを残したはずだ。（大山貴弘）





この4日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2014」は9月13日発売予定です！ 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。