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満面の笑顔でスキップをしながらPARK STAGEに現れた安藤裕子。その可憐さに、思わず目を奪われた。「寒いね」、そう一言漏らすと、名曲“のうぜんかつら”を高らかに歌い出す。艶めいたその歌声が、ジャジーなバックサウンドと絡み合い、一層煌びやかに輝く。彼女の歌声を前にすれば、天候なんて関係ない。続いて、ラストに向かって高まっていく高揚感が気持ち良い新曲が披露され、その歌声が徐々に開放的な空間を描き出していく。

「新しい試みで、フェスで披露した新曲をHPから無料ダウンロードできるようにしているんです。皆さん偽物の顔を持っていると思うんですよ。学校での顔、職場での顔。自分の本当の顔を覚えていますか? でも、この人の前だったら本当の顔を見せられるという人がいると思います。そんな大切な人にこの曲をあげてください」と話し、「繊細な曲だから」と蜂蜜を舐めて、“レガート”の優しいバラードを歌い上げる。手から手へ直接渡すように一音一音、一言一言を丁寧に届けていく。受け取った観客は恐らくそれぞれの大切な人を思い浮かべているのだろう。身体を揺らすことも、声を上げることもなく、ただただ真っ直ぐにその音を身体に溶け込ませていた。

「これから時代も変わると思います。生活が苦しくなっていくかもしれない。だけどみなさんには笑顔で生き抜いて、最後は笑顔で死んでいってほしいと思います」。時代の変化を憂うことなく、懸命に生きていこうという強い意志が、“世界をかえるつもりはない”、“サイハテ”の2曲に込められ、PARK STAGEに響き渡った。その歌声に負けない強さを持って生きていこう、そんな力をもらえた圧巻のステージだった。(峯岸利恵)




この4日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2014」は9月13日発売予定です! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。
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