前日にはKICK THE CAN CREWとして実に10年ぶりの大舞台でGRASS STAGEのトリを飾ったKREVAだが、2日目はソロ・デビュー10周年の単独GRASS STAGE。というか思い起こすこと10年前、初めてソロとして踏んだ舞台こそが、このGRASS STAGEであった。半生バンドのゴージャスでドラマティックなイントロが鳴り響き、『KX』モードの極彩色モザイク柄衣装を纏ったKREVAが登場すると、まずは目下の最新シングル曲“トランキライザー”を届ける。続いては自分自身とGRASS STAGEエリア一杯の人々をまとめて鼓舞するように“挑め”の悶絶級ラップを叩き付け、アウトロでサングラスを外し流し目の決めポーズ。オーディエンスに感謝の言葉を告げると、「ROCK IN JAPANの15年の歴史の中でも、2日間続けてGRASS STAGEに立った男はそうそういないと思うぜ」と自信満々に語り、“基準”、“ストロングスタイル”と、ド迫力サウンドを乗りこなして鬼のようにラップを繰り出し続ける。
「2日続けてGRASS STAGEに立ったって言ったけど、もっと大きい目盛りで見てみたんですよ。10年連続でGRASS STAGEに立ってるんです。もう誰に感謝していいか分からない。すべてに感謝。それを知ってか知らずか、夏男と呼ばれることがあって」と、ここからサマー・チューンを「パンパンパーンと」3連発で届けるサービス精神を発揮。がっつりコール&レスポンスを行ってからの“OH YEAH”、涼しい風を吹かせるようなトロピカル・グルーヴに乗せて“イッサイガッサイ”、そこから一気にバウンスして弾ける“Have a nice day!”と、いずれもテクニカルなラップ・チューンでありながら、オーディエンスとインタラクティヴに楽しめる構成になっている点が改めて素晴らしい。そして、ROCK IN JAPAN FESTIVALで初披露して大合唱になり、「ウチの娘に至っては、お父さんはこの曲を歌ってる人なんでしょって思ってるからね」という“Na Na Na”の歌声もがっつりと分かち合ってみせる。
デビュー10周年、ROCK IN JAPAN FESTIVAL初出演時を振り返り、「インディーズでシングル一枚しか出していない奴にこのステージを任せるのって、すごい勇気がいることだと思うんですよ。でも、だからこそその後があるし、昨日があるし」と、今後に向けて更なるサポートを求めつつKREVAが披露するのは、“希望の炎”だ。そこからメジャー・デビュー・シングル“音色”と、じっくりデビュー時を思い出させるナンバーを続けて放つ。そしてバンド・サウンドが響き渡り、ステージに招き入れられるのは、なんと三浦大知だ。驚喜のオーディエンスも当然だろう。“全速力 feat.三浦大知”を、二人で跳ね回りながら披露してしまう。本当にKREVAという男は、どれだけ人々を驚かせれば気が済むのだろう。(小池宏和)
この4日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2014」は9月13日発売予定です! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。