太陽が高く昇り、ますます熱気の高まるひたち海浜公園。ゴールデンボンバーの巻き起こした極彩色の狂騒から一転、凛としたロックの高揚感でGRASS STAGEを包んでみせたのはACIDMAN! “最後の国(introduction)”のSEに合わせて、満場のクラップが湧き起こる中、大木伸夫(Vocal & Guitar)、佐藤雅俊(Bass)、浦山一悟(Drums)がゆっくりとオン・ステージ。「今日という日は、この瞬間は、二度と戻ってこないから、みんなで最高の一日にしよう! ROCK IN JAPAN、いくぞ!」という大木のコールとともに響く、メジャー・デビューアルバム『創』収録の”造花が笑う”のソリッド&ダイナミックな3ピース・アンサンブルと大木のエモーショナルな絶唱! 一面のシンガロングに空気が震える。そのまま2ndアルバム『Loop』の“アイソトープ”へ流れ込み、大木/佐藤/浦山のビートに身を任せたオーディエンスのジャンプが大地を揺らしていく。
晴れやかなメロディと《限りなき光が 溢れたなら/僕らは行こうか》という力強い大木の歌声が、灼熱の陽気と響き合い混ざり合って、最高の祝祭空間を描き出した“EVERLIGHT”。そのまま満場のシンガロングとともに“赤橙”を披露、さらに高らかなクラップを巻き起こしながら“アルケミスト”の壮大なサウンドスケープへ……と次々に名曲を放射。デビュー12年の道程を照らしてきた楽曲群が目の前で惑星直列していくような、目映いほどの熱演を繰り広げていく。「いい景色ですね! 今年で10回目です、このステージに立たしてもらうのは。このステージはほんと素晴らしくて、日本一のフェスにずっと出さしてもらっていることを感謝しています」と語りかける大木に、熱い拍手が広がる。
「この景色を想像しながら作った曲を、新曲として出しました! 夏バテしないギリギリのラインで、本気出して盛り上がってください!」というコールに続けてでっかく轟かせたのは“Stay in my hand”! シビアに研ぎ澄まされたACIDMANの楽曲とサウンドだからこそ描き得る、魂燃え盛る極限の風景は、“風,冴ゆる”“ある証明”と1曲ごとに激しさを増し、GRASS STAGEをロックの銀河へと塗り替えていく。「この炎天下の中に相応しくない、しっとりとした曲をやってもいいですか? 人が死んで、生きて……僕ら人も、果てしない銀河も、もともとはひとつだった、っていう曲です」という大木の言葉とともに、最後にひときわ雄大に響き渡ったのは“ALMA”。人間の生命を、観る者の傍らと宇宙の果てから同時に見つめるようなこの曲が、フィールドの隅々まで深く染み渡っていった。(高橋智樹)
この4日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2014」は9月13日発売予定です! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。