のっけから下村亮介(vocal , keyboards , programing)のテンションが尋常じゃない。“song of sick”を熱唱しながら「歌えええ!!」「来いよぉ!!」と煽りまくる。「このロッキンジャパンで最高の夏にしようって、数年ぶりに思ってるんですよ! もう時間がないんだよ、俺たち!」と半ギレで語る下村にオーディエンスは大爆笑だが、彼の思いはどうしようもなく伝わってくる。最高の夏にしようという思いはフィールドのオーディエンスたちも同じだ。そのテンションに引き寄せられるように、気がつけばPARK STAGEいっぱいに人が集まっている。やったぜ、下村。
白と青のストライプの揃いの衣装で、ホーン隊やコーラスのサポート・メンバーを迎えた総勢10名という所帯で、2年連続のPARK STAGEに挑むthe chef cooks me。彼らの奏でる、目まぐるしく表情を変えながら、温かな高揚感をもたらしてくれるサウンドは、夕暮れ前のPARK STAGEに何とも心地良く響いている。爽やかなコーラスが胸に沁みる“UCHU”、フィールドから大きな手拍子に迎えられた“ゴールデン・ターゲット”と、ライヴが進むごとにフィールドの優しい一体感はどんどんと高まっていく。村田シゲ(bass)はヘアゴムが3つも飛ぶほどの怪演をみせる。
「夏を満喫して、青春しに来てるんでしょ? 違うの? 何しに来てるんだ?」と煽って“適当な闇”を披露すると、オーディエンスからは再び大合唱。「一番でかいところでやりてえよ、俺だって。すげえ気持ち良さそうだもん。その思いを馳せて一曲やります」とラストは“ハローアンセム”だ。その華やかでエモーショナルなサウンドで、最後はPARK STAGEいっぱいのオーディエンスを笑顔にさせたthe chef cooks me。一癖も二癖もある男たちだが、そんな彼らならではの熱とポジティブな感情に満ちあふれた、痛快なステージだった。(大山貴弘)
この4日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2014」は9月13日発売予定です! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。