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SUPER BUTTER DOGの“コミュニケーション・ブレイクダンス”のSEに乗って勢いよく現れたのは、昨年に引き続いての出演となるSAKANAMON。中央のマイクスタンドにマスコットキャラクター「サカなもん」が鎮座する中、藤森元生(Vocal/Guitar)の朗々とした歌声とともに1曲目“花色の美少女”がスタート。ガッチリと組み上がった極彩色のアンサンブルに乗って、フィールド中の拳が力強く上がっていく。そこからインディー時代の名曲“ミュージックプランクトン”へ繋げると、ソリッドな輝きをじわじわと増していくバンドサウンド。森野光晴(Bass)&木村浩大(Drums)のリズム隊による骨太なビートと、どこか素朴で丸みを帯びた藤森の歌声のコントラストが心地いい。「いけるか、ジャパーン!」という木村のシャウトから突入した“空想イマイマシー”では、3人のキャラクターをそのまま音に変えたような人懐っこいサウンドスケープが出現。ブレイクではマキシマム ザ ホルモンの“恋のメガラバ”の一節を弾き鳴らし、フィールドを大きな笑いと拍手で包み込んでみせた。



昨年はWING TENT最終日のトリを務めた彼ら。「今年は早い時間からお酒を飲めるように配慮して下さったようで……」と笑わせつつ、藤森は一回り大きくなったステージへの出演を自ら祝ってみせる。さらに「サカナモン界の松田龍平こと森野光晴!」「サカナモン界のもたいまさこ、木村浩大!」「いいとき松山ケンイチ、ダメなときエスパー伊東、藤森元生!」という何とも的を得た(?)メンバー紹介を経て新曲“アリカナシカ”を披露したのだが……これがとてもよかった。10月1日にリリース予定のミニ・アルバム『ARIKANASHIKA』に収録されるこの曲は、音楽と向き合う覚悟をかつてなく真摯な歌とメロディで綴った歌。そのエモーショナルで壮大な響きは、今後彼らのアンセムとして大きく成長していく可能性を秘めていた。その後は“マジックアワー”“シグナルマン”とアップ・チューンを畳み掛け、「皆に選ばれないとここに立てないわけで。本当に感謝しています。今後も選ばれ続けるように頑張ります!」(森野)/「最後に一緒に叫びたい曲があります」(藤森)というMCを経てラスト“TOWER”へ。「彼氏いない女子ー!」「彼女いない男子ー!」を対象としたシンガロングに続いてフィールド一丸の大合唱とハイジャンプが沸き起こると、無限の広がりを持ったスペイシーな音像がひたちなかの夕暮れ空へとまっしぐらに駆け上がっていった。彼ららしい愛嬌やユーモアに加え、音楽に向き合う上での敢然たる意志が示された充実のステージ。少々気が早すぎるかもしれないが、来年のさらなる躍進を期待してしまいたくなるような快演だった。(齋藤美穂)





この4日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2014」は9月13日発売予定です! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。
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