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ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2014 公式サイト
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日本のロック界が誇るザ・マン、矢沢永吉がROCK IN JAPAN FESTIVALに3度目の登場である。ギターがファンファーレのように鳴らされるオープニングSEを経て、バック・バンドが雄大なイントロを奏で始めるステージの中央には、あの真っ白いスタンド・マイクが一本。そして……大歓声にまみれて姿を見せた永ちゃんもまた、うっすらと柄の入った艶やかな純白のスーツ姿だ。早々にジャケットを脱ぎ捨てる永ちゃんは、マイクを引っ掴み、どでかいロック・グルーヴを身振りで乗りこなしながら“JEALOUSY”の熱唱をスタートさせる。目が覚めるようなシャウト、呆気にとられるような一瞬の鋭い開脚モーション。矢沢永吉が、ひたちなかに帰って来た。

その長きに渡るキャリアを一跨ぎにするように、この後には1970年代から80年代にかけてのシングル収録曲を立て続けに披露してゆく。雨のGRASS STAGEに激情がずっぱまりとなる一幕、勢い良くマイク・スタンドを振り回し、ステージを軽やかに横断するようにステップを踏み、「Hey! Hey! Hey!」とあたかも自らを鼓舞するように声を上げ、「Rock n’ Rollに感謝しようぜえ~~っっ!!」と震えが走るような叫びを轟かせ、次の瞬間にはスウィートなこと極まりないラヴ・ソングへと繋いでみせる。思えば、永ちゃんは御歳64にして新バンドのZ'sもスタートさせたが、触れる者を痺れさせるロック・ナンバーなら選び切れないほどに用意されているのだ。

ひときわ華々しいロックンロールで「行くよ行くよ行くよ行くよ行くよ~~!!」と繰り出されるのは、辺り一面に色とりどりのタオルと歌声が上がる必殺チューン“止まらないHa~Ha”だ。これが矢沢永吉の、時と場所を選ばない求心力。「(過去に)この曲を引っ提げて年間120ぐらいライヴやってたのね。うん、ありがとう……(ひたちなかは)5年振りだけど、やっぱり普段のライヴとはこう、テイストが違うね。じゃあ、ロックンロールを続けて紹介したいと思います!」と語り、一気に2010年代のロックンロール“サイコーな Rock You!”へと跳躍して見せるのだった。そして最後にはサックスの熱い音色が後押しする“いつの日か”の名唱で感涙のフィニッシュ。手を振りながらステージ袖に立ち去るまで、すべてが決定的瞬間だけで出来上がったステージだった。(小池宏和)




この4日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2014」は9月13日発売予定です! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。
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