今まさに天高く昇る太陽と同じように、2日目 WING TENTには4ピース・バンドのライジング・サン、シャムキャッツが登場だ。まずはどっしりのガレージ・ロックンロールにずっぱまりの日本語詞を乗せて、“SUNNY”がオーディエンスを運ぶ。爽やかなメロディと歪んだ爆音のコントラストが心地良い。そこから熱量を高めつつ、吹き抜けるようなハーモニーを巻き、ドタメシャのサウンドで“なんだかやれそう”の理由なき確信をぶち撒けてくれる。ロックンロール・バンドは、音を鳴らした瞬間に無敵になれるな、という完璧な手応えがここにある。夏目知幸(Vocal&Guitar)は「めっちゃ気持ちいいです、ありがとうございます!」と挨拶し、3月にリリースした目下の最新アルバム『AFTER HOURS』が彼自身もお気に入りであることを語っていた。
そして、この後には『AFTER HOURS』からの楽曲群を続けざまに放つ。サーフ・ロック・サウンドにファンキーなカッティングを絡めて転がるシングル曲“MODELS”、疾走感を保ちながら白昼夢のようなギター・ポップ・サウンドが広がる“SUNDAY”、さらには気怠い哀愁をたっぷりと滲ませた、美しいタイトル・チューン“AFTER HOURS”。シャムキャッツのロックはときに鮮烈でときに夢見心地だが、そこには都会ではない郊外に生活する若者のモラトリアムが通奏低音として流れている。これが、感覚として身に覚えがある者の耳に触れると、なんとも言えない、堪らない気持ちにさせられるのだ。そして菅原慎一(Guitar&Vocal)の煌めくようなギター・リフレインが迸るサマー・チューン“渚”、最後には捩じれたリフが吹き荒れる“不安でも移動”を届け、こんな暑い夏の日にぴったりのロック・ショーは締め括られるのだった。(小池宏和)
この4日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2014」は9月13日発売予定です! 全ライヴ・アクトのセットリストは、そちらに掲載されます。