気持ちよく晴れ渡ったひたちなかの空の下、ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2016のGRASS STAGEトップバッターには、昨年、最終日大トリを務めた10-FEETが登場である。走り込んできたTAKUMA（Vo./Gt.）はピンクのヘアバンドにレギンスという、どこかで見た感じのコスプレでさっそく爆笑を巻き起こしていた。オープニング曲は、大勢のオーディエンスをまとめて焚き付けにかかる“hammer ska”だ。「ありがとうございましたーっ！ 10-FEETでした!!」という早々のクライマックス感に、アンコールの声が上がる。

“super stomper”“風”“VIBES BY VIBES”と畳み掛けると、KOUICHI（Dr./Cho.）が街頭演説風のエコーがかったマイクでオーディエンスの体調を気遣う。そして３人は“goes on”に“その向こうへ”“1sec.”という剛腕ナンバーの連打に持ち込むのだった。TAKUMAはギターを爪弾きながら「優しくするのは難しい。思いやりってなんやろうか。優しさや思いやりは、想像力なんやと思います」「何かがつらいときには、それを誰かに解決してほしいというよりも、誰かに聞いてほしいという気持ちが強いです。音楽には、そういう力があると思います」と語り、この７月にリリースされた待望の新曲“アンテナラスト”へと繋げてゆく。
“RIVER”では、TAKUMAの呼びかけで生み出されたシュールな光景の中から盛大な歌声が上がり、残り僅かな持ち時間に“DO YOU LIKE...?”と「時間がないときの“RIVER”」を詰め込んでフィニッシュである。どこがクライマックスなんだか分からないけど、いつどこで終わってもいい渾身のライブなんだな、と考えたら、グッと来てしまった。（小池宏和）

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この4日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FES.2016」は9月16日発売予定です！ 全ライブアクトのセットリストは、そちらに掲載されます。