2日目を迎えたHILLSIDE STAGE、3番手には吉澤 嘉代子が登場だ。伊澤一葉（Key）、伊賀航（B）伊藤大地（Dr）という豪華な顔ぶれのサポートバンドが既にスタンバイするところにやってきた吉澤は、オーディエンスのほうをグイッと覗き込んだあと、「最初の曲でマイクチェックしたいと思います！」と一言。“未成年の主張”の《マイクチェック・ワンツー》というフレーズがライブの始まりを告げた。続く“綺麗”はキュートなハンドサインも特徴的で、それを真似るオーディエンスの姿も。夏の日差しを思わせるようなきらめきの中に、あえて少々の違和感を含ませるような絶妙なアンサンブル。HILLSIDE STAGEまるごと、彼女が生み出すポップの魔法に彩られていく。

「初めてのROCK IN JAPAN FESTIVALのステージにもかかわらず、ムダ毛の処理をせずに来てしまった」という内容の寸劇風の流れを経て、「みなさん、私のムダ毛処理に付き合ってくれますか？」と何とも斬新な言葉で煽り、オーディエンスにダンスをレクチャー。その後、“ケケケ”へ。コッテコテのキメを連発するイントロからして歌謡曲色の濃いこの曲には、古き良き「歌」の面白さを理解しながらそこに独自の捻りを効かせる彼女のセンスがよく表れている。

「私はROCK IN JAPANは初めて行ったフェスで、フェスってロッキンしか行ったことなくて。そんなところで歌うことができて、みなさんに聴いていただけてとても嬉しいです」。そうしてオーディエンスに感謝を伝えたあと、ラストに披露されたのは最新作であるコラボレーションミニアルバム『吉澤嘉代子とうつくしい人たち』収録の“ものがたりは今日はじまるの feat.サンボマスター”。80年代アイドルソングを彷彿とさせるような同曲で爽やかな後味を残した。（蜂須賀ちなみ）

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この4日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FES.2016」は9月16日発売予定です！ 全ライブアクトのセットリストは、そちらに掲載されます。