今どきの王道ギターバンド的なサウンドフォルム、しかしそこに収まりきらない質量のグチャグチャドロドロした己の感情や考えや意志をぶっこみまくる、つまり内容が形式を超えて床上浸水している稀有な3ピース＝My Hair is Bad from新潟県上越市、ROCK IN JAPAN FESTIVAL初見参。
テントの外にはみ出るほど詰めかけたオーディエンス、“真赤”でスタートするや「オイ！ オイ！」の大コール、“アフターアワー”での椎木知仁（Gt.Vo）の「ドキドキしようぜ！」というアオリにも絶叫で応える。しかも「キャーッ！」ってよりも「ヴォーッ!!」。若い男のファンが多いのだ。椎木知仁が歌にする、己の頭の中に渦巻くグッシャグシャな思いに共鳴している野郎どもが。次はストーカー寸前（だからピュア）な究極のラブソング“元彼氏として”。濃い。濃すぎる、朝から。

椎木知仁、こんなに集まってくれたみんなへの感謝と、今ここに立てたことの喜びを口にし（ROCKIN’ON JAPANの愛読者だったそうです）、「つい先日別れた彼女がROCK IN JAPAN大好きだったんで、来てるような気がします！ もう連絡も返ってこないんで連絡してませんが」と言わなくていいことを言い、さらに喝采を浴びる。

ラップのような語りのような叫びのような“from now on”をマイクをブチ落とす勢いで歌い、またマイクを落としながらものすごいテンションで“夏が過ぎてく”をプレイ。そして30秒のファストチューン“クリサンセマム”でシメ。
朝から倒れるかと思った、観ててアドレナリン出すぎて。最っ高でした。なお、「前の彼女」の話、計3回出てきました。（兵庫慎司）

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この4日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FES.2016」は9月16日発売予定です！ 全ライブアクトのセットリストは、そちらに掲載されます。