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HILLSIDE STAGE 11:40

闘う人々に捧ぐありったけの讃歌

今年新設されたHILLSIDE STAGEの2番手は、ROCK IN JAPAN FESTIVAL初出演のNakamuraEmi。サポートのカワムラヒロシ(アコースティックギター)とともにステージに登場した彼女は、ハンドマイクをスタンドに設置しようとするも、どうやら手こずっている様子。「いきなり機材を壊しましたが(笑)、神奈川県の厚木というところから来ましたNakamuraEmiと申します」と、お茶目な一面を覗かせた。

カワムラがギターのボディを叩く音に合わせ、自然と手拍子が起き、1曲目の“Rebirth”へ。歌とフロウの間を行き来するようなNakamuraのスタイルは滑らかなリズムを生み出すが、それはまるで血液のように、聴き手ひとりひとりの体内に注ぎ込まれていく感覚がある。自分自身が経験してきた事柄や生き様そのものを歌に変える彼女の歌だからこそ、そういう切実さが宿るのだ。特に、「会社員として」「ミュージシャンとして」「ひとりの女性として」という三重生活で悩んでいた時期に書いた曲だという“使命”、自らを鼓舞するように《さぁ 働け》と繰り返すサビは圧巻だった。

「茨城」を「いばらぎ」と発音したNakamuraへオーディエンスが「いばらき!」とツッコむ、などMCでは飾り気のないテンションだが、演奏が始まれば一瞬で引きこまれてしまう。「音楽をやるキッカケになったのは短大時代にやっていたバンドなんですけど、そのときのメンバーが今日来てくれていたりして。そのときはまさかこんなステージに立つことになると思っていなかったし、みなさんの1年後とか2年後、何が起こるかわからないと思うので、まっすぐ生きていってもらえたらと……次の曲なそんな曲です」と、ラストの“YAMABIOKO”まで、力強い歌声を響かせた。(蜂須賀ちなみ)
この4日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FES.2016」は9月16日発売予定です! 全ライブアクトのセットリストは、そちらに掲載されます。