センチメンタル・バスの“Sunny Day Sunday”のカバーをハイテンションで(途中歌詞は抜けていたが)プレイするなど、リハの段階でオーディエンスを楽しませる気満々な気持ちがひしと伝わってきてはいたが、本編の多幸感はそんな比じゃなかった。一発目の”スーパーワーカー”のイントロを掻き鳴らすや否や、牧 達弥(vo/g)の「go!go!vanillasと遊ぼうぜ！」とのお誘いを受けてオーディエンスは早速全力で楽しんでいるようだった。

さらにカウントと共に続いた“エマ”では、ダンス＆ジャンプの乱舞。耳触りの良い牧の声に負けない存在感を放つ、柳沢 進太郎(g)と長谷川プリティ敬祐(ba)のツインプレイの連続技！ さらにそこに否応なしに足を踊らせるジェットセイヤ(dr)の軽快かつ強いドラミングが掛け合わされば、もう無敵。ステップを踏まない方が難しい。そんな状況を見て「笑いが止まんないくらい楽しい！」と、見れば分かるよ！というくらいくしゃくしゃの笑顔を見せた長谷川に負けてたまるかと、パーティーチューン“ヒンキーディンキーパーティークルー”では会場がハンズアップで応え、会場を包む幸福度がまたグンと上がった。

古き良きカントリー節やロックンロールテイストをしっかりとバニラズのオリジナルに昇華させ、聴く者を巻き込んでライブを作り上げていく。誰しもの心に潜在的にあるロックンロール魂を呼び起こすような、清々しいアクトを出し惜しむことなく繰り出していった。そしてラストチューンは、キラーチューンの“マジック”！ その名の通りオーディエンスをロックンローラーに変身させる魔法をかけて、最高の盛り上がりを残して彼らはステージを去った。(峯岸利恵)

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この4日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FES.2016」は9月16日発売予定です！ 全ライブアクトのセットリストは、そちらに掲載されます。