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LAKE STAGE 15:10

誠意のポップミュージックよ、遠く高く届け

最終日も後半に差し掛かった頃、LAKE STAGEにはパスピエが登場。和的な響きのSEの空気感を引き継いで、“永すぎた春”から演奏を始めた。ステージ中央でマイクを高々と掲げる大胡田なつき(Vocal)。良い表情でフィールドを見渡している成田ハネダ(Keyboard)。ステージ前方に歩み寄りながらメロディを紡ぐのが三澤勝洸(Guitar)、露崎義邦(Bass)だ。最新シングル収録曲を披露したあとは、加速するやおたくや(Drums)のビートが地面を震わせるなか、“贅沢ないいわけ”でたくさんの手拍子を誘う。ライブでよく披露されてきた“フィーバー”もバンドの現状を反映してアップデート。タイトかつカラフルなサウンドに心奪われた。

予定調和の盛り上がりなど用意せず、人が何かに胸を打たれる瞬間を具現化するみたいに、じわじわと熱を帯びていくアンサンブル。そのサウンドがここに集まった人々の感情と共鳴するのに時間はかからなかった。3曲を終えたところで「LAKE STAGEに出させてもらうのは3年目だけど今年はモニターに顔が映ってますかね?」と素顔を解禁した件について触れる大胡田。そのまま「今日は前の人も後ろの人もよく見えると思うのでよろしくお願いします」と伝え、《何千回だって  何万回だって/もっとリアルに鮮明に描くよ》と歌う“ハイパーリアリスト”(こちらも最新シングル収録曲)へと繋げる。

目の前にいる相手と対話していきたいという願いを、自分たちの音楽を通して実現していくということ。今目の前に広がるこの光景が、その尊さを物語っていた。そして“MATATABISTEP”の刺激的なリフでオーディエンスを興奮状態にさせたところでライブはもう終盤。風に乗せるかのように“トキノワ”を響かせるラストまで、パスピエらしく、趣深かった。(蜂須賀ちなみ)

この4日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FES.2016」は9月16日発売予定です! 全ライブアクトのセットリストは、そちらに掲載されます。