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HILLSIDE STAGE 15:10
丘を心地好く抜ける歌声に癒される至福の時間
藤原さくらの歌声に吸い寄せられるかのように、リハーサルの段階から多くの人が集まっていたHILLSIDE STAGE。本編を待ち望むオーディエンスに対し「水分補給はしっかりしてくださいね」と何度もアナウンスする藤原の気遣いに後押しされながら、いよいよ本番。背の高い白い椅子に腰掛けアコギを持ってカウントダウン、“Oh Boy!”の甘くて少し切ないメロディが会場を優しく包む。20歳という少女と女性の狭間を揺らぐような年齢だが、その流暢な英語の発音と声色に宿る艶やかさ、音階を行き来する際に掠れる渋さは立派な女性シンガーだ。
そんな彼女の歌声に魅了されたオーディエンスは、暑さなんて忘れてしまったかのようにじっと聴いていた。そしてサビで高く抜ける声と哀愁漂う雰囲気が胸を打つ“Cigarette butts”では、藤原の力強い声量が発揮された。MCでもオーディエンスの体調を心配する場面があり、終始和やかに進行していく様子が藤原の人間性を表しているようでなんとも温かかった。そしてドラマ出演の話に触れ、福山雅治が作詞・作曲を手掛けた劇中歌“好きよ 好きよ 好きよ”、そして主題歌“Soup”を披露。英詞曲でまとまった前半とは一転し全詞日本語ということもあり、藤原が発する言葉の響き方もまた違っていてその変化が面白かった。
クールに見えてもあどけなさはしっかりと残っているという二面性を堪能できた。そしてラストは「みんなで手拍子しましょう」という合図と共に演奏された“「かわいい」”。曲名通りとっておきのかわいさと弾けるような愛おしさを会場いっぱいに散りばめたのだった。(峯岸利恵)
この4日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FES.2016」は9月16日発売予定です! 全ライブアクトのセットリストは、そちらに掲載されます。