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BUZZ STAGE 14:05
初登場! 「求め、求められる」歌声がひたちなかに響くとき
アニメ主題歌を数多く手がけ、海外からも熱烈な支持を受けるシンガー・藍井エイルが、この夏、ROCK IN JAPAN FESTIVALに初登場! たくさんの人が集まったBUZZ STAGEに「公開リハーサル」を投下した数分後に本編へ。オーディエンスの手拍子に迎えられるようにオンステージすると、「ROCK IN JAPAN FES.2016! 跳べるかー!」と早々に煽りたて、“シューゲイザー”へ突入した。彼女の身体の底から歌声が引っ張りだされ、空高く放たれていくかのよう。新井弘毅(Gt)、黒須克彦(Ba)、楠瀬タクヤ(Dr)というサポートメンバーによるシンプルで骨太なサウンドも相まって、聴いているこちらの皮膚がビリビリと痺れるほどだ。短めの挨拶を挟んだあとは“IGNITE”へ。カメラ(ステージ両隣に設置されている巨大スクリーン用)へ向ける鋭い視線も最高にクールである。
とはいえ、アグレッシブな面だけが彼女の魅力ではない。例えば何度でも立ち上がる人間の性(さが)を切り取った最新曲“翼”も、最後に披露された“ラピスラズリ”もそうだったが、ロックサウンドとはいえども、彼女の歌うメロディは和を感じさせる響きを持っているし、それは人間の強さだけではなく、弱さや脆さ、儚さとも向き合い続ける歌詞の内容にもよく似合っている。そういう要素があるからこそ、彼女の歌はただの強がりや綺麗事にとどまることなく、聴き手ひとりひとりの背中を押す力を持つのだろう。
ステージへ向けて腕を伸ばすオーディエンスの姿と、フロアから上がる歓声を両手を広げて受け止める藍井の姿。その先に、歌を媒介して生まれた「求め、求められる」関係性が透けて見える。今年でメジャーデビュー5周年。その軌跡が強く打ち出された、渾身のアクトだった。(蜂須賀ちなみ)
この4日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FES.2016」は9月16日発売予定です! 全ライブアクトのセットリストは、そちらに掲載されます。