全てのアクトのフォト&レポートを終了直後にアップ!現場の空気を伝えるエリアレポートも!

WING TENT 18:10

何かを変える意志と意地とが切り開くロック

サウンドチェックが終わり、集まったオーディエンスに「目にもの見せてやる。覚悟しとけよ!」と宣言したAG(Vo)。WING TENTのトリを飾ったNOISEMAKERは、その言葉どおり、圧倒的なパワーでドラマを生み出し、観る者の心に深くその名を刻み込むライブをした。1曲目は、メジャー1stアルバム『ROAR』のオープニング曲でもある“Flag”。昂揚感あふれるシンガロングではじまるアンセムだ。UTA(Dr)によるビッグなドラムビートがオーディエンスをジャンプさせ、HIDE(G)のギターとYU-KI(B)のベースが躍動し、AGのボーカルを力強く遠くへと飛ばしていく。

続く“Mouse Trap”では、ヘヴィさを増してテントをビリビリと振動させる。ツアーで、ラウドからパンク勢まで幅広いライブ猛者と闘い続け鍛えたグルーヴは、強靭。そのグルーヴが曲の世界観を目の前で切り開き、グッと広げていくカタルシスがある。「初めての人も、2度目の人も、常連の人も関係ない、全員ウェルカム。ここに来たからには、この場所をいちばんヤバくしていこう」とAGが呼びかける。中盤では“Home”を熱く歌い上げ、「今日見たことが自慢できる、めっちゃいいライブをする」と“DRIFTING CLOUDS”でしなやかな轟音を縦横無尽に走らせた。

フックやインパクトの強い爆音ではあるが、細やかなディテールを持った巧みなアレンジとじっくりと磨いたアンサンブルとで、聴く者の景色を瑞々しく変える。そういう、音楽の力を信じているバンドだと改めて思う。「みんなの期待と声を背負って、何度でも立ち上がって高く跳んでいく」(AG)という言葉で最後に演奏した“Butterfly”のエネルギッシュな美しさは、格別の響きがあった。(吉羽さおり)

この4日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FES.2016」は9月16日発売予定です! 全ライブアクトのセットリストは、そちらに掲載されます。