サウンドチェック時から拍手喝さいを起こしたのは、在日ファンク。フロントマン・浜野謙太(ボーカル)、通称ハマケンが動くたびに歓声が上がり、調子に乗って（？）華麗にターンを決めたりと本番前からサービス精神旺盛だ。気づけばBUZZ STAGEはテント内に収まりきらない人が集まっている。SEとともに、最新アルバム『レインボー』でのカラフルなスーツに身を包んだメンバー、仰木亮彦(ギター)、村上啓太(ベース)、永田真毅(ドラム)、後関好宏(サックス)、ジェントル久保田(トロンボーン)、村上基(トランペット)、ハマケンがステージへと現れると、蒸し暑いテント内の温度がいちだんと高くなった。ハマケンの「ダンボールッッ!!」のコールとともに、“ダンボール肉まん”をスタートすると、気持ちよく、かつ汗臭さもたっぷりのファンキーなアンサンブルで会場を揺らす。

腰が入ったキレッキレのダンスやステップで魅せ、またコミカルなキメのポーズや顔芸など、ハマケンは全方位のステージングで沸かせる。続く“京都”では、仰木がコールを先導し、「京都！」「今日は、めっちゃ晴れてる！」「FUNK IN JAPAN！」とコール＆レスポンスで盛り上げる。

心温まる“それぞれのうた”を聴かせつつも、基本的には会場一体で「音楽」を生み出すのが、在日ファンクの魅力。「むくみむくみむくみ……」と早口でまくし立てる歌と、パーカッシブなリズムと速いベースのリフが痛快な“むくみ”では、ハイボルテージなバンドアンサンブルで興奮のメーターを上げ、オーディエンスとともに歌い、叫ぶ。「わかったでしょ？ ファンクのライブはコール＆レスポンスが重要だから。俺、寂しがり屋なんだよ、みんなやってくれよ」とさらにハマケンが呼びかけ、ラストの“場”でも全員でシンガロングの大団円。ハマケンは終始、動きを止めることなく会場を指揮し、人一倍汗をかいて盛り上げたあっぱれなライブだった。（吉羽さおり）

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この4日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FES.2016」は9月16日発売予定です！ 全ライブアクトのセットリストは、そちらに掲載されます。