全てのアクトのフォト&レポートを終了直後にアップ!現場の空気を伝えるエリアレポートも!

PARK STAGE 10:30

バンドとして、そして人間としての成長を感じるアクト

柔らかく覆う雲のおかげで穏やかな雰囲気に包まれたPARK STAGE、ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2016の2日目のトップバッターを任されたのはplentyだ。新田 紀彰(Bass)、中村 一太(Drums)、江沼 郁弥(Vocal/Guitar)がステージに現れると、ギターを手にした江沼は満面の笑顔を会場に向けた。そして“人との距離のはかりかた”で会場の空気を揺らしたのだが、この時点で強く感じたのは、江沼が本当に楽しそう、というよりとにかく嬉しそうに歌っているということだ。思わず今まで見てきた彼らのライブの記憶を振り返ってしまうほどに、その声は格段に柔らかく響いていた。

続く“待ち合わせの途中”でも声に宿る意志の強さや芯の太さはさらに強度を増しているようで、遠くまでしっかりと伸びていた。そして中村のドラミングに乗って江沼が「おはよう!」と一言挨拶をすると、新田と中村が刻むリズミカルなテンポが心地好い“さよならより、優しいことば”をプレイ。さらに続けて初期のロックチューン“枠”、江沼の「水飲んで!」という気配りを挟んで“最近どうなの?”を連続投下する。孤独感や背徳感を鋭い歌詞で突く曲から人との関わりを歌った柔らかい曲まで、plentyというバンドの成長や心境の変化を体感できる感覚だ。

MCでは江沼が「楽しい!」との率直な言葉に続けて「みんな早起きしてくれてありがとう、まあ俺が1番早起きしたと思うけどね(笑)」と話し、そんな捻くれた付け足しも彼らしいなと思えた。そしてラストには“嘘さえもつけない距離で”(新曲)を披露。優しい余韻を残した会場に「ありがとうございました、plentyでした。皆さん今日1日楽しんで」との激励の言葉を贈り、幕開けの役目を終えた。(峯岸利恵) この4日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FES.2016」は9月16日発売予定です! 全ライブアクトのセットリストは、そちらに掲載されます。