GRASS STAGE
14:30
フェスの主役に伝えるメッセージ

昨年に引き続いてのGRASS STAGE登場となるKANA-BOON。谷口鮪(Vo./Gt.)の「元気ですかーっ!? KANA-BOONです、よろしくどうぞーっ!!」という第一声に続いて、繰り出される古賀隼斗 (Gt./Cho.)のギターリフに、どよめきの声が上がった。まさかの“ないものねだり”始まりだ。オーディエンスの歌声をがっつりと攫い、“なんでもねだり”“机上、綴る、思想”に繋ぐという心憎い選曲である。海外公演を含む新作ツアーを駆け抜けてきた飯田祐馬(Ba./Cho.)と小泉貴裕(Dr.)のボトムも、ぐっと力強さや重量感を増している手応えだ。

熱中症や怪我に気をつけるよう呼びかけると、“1.2. step to you”“ウォーリーヒーロー”“盛者必衰の理、お断り”といった、めくるめく思考の軌跡やスピード感を鮮やかに伝えるロックチューンが連発。広大なはずのフィールドが見渡す限り人で埋まり、歌声を上げ波打つ光景がまた凄まじい。

そして鮪が切り出すのは、つい4日前に発表されたニューシングル『Wake up』(10月5日リリース)についての話題だ。映画『グッドモーニングショー』の主題歌であり、長澤まさみの映画出演に浮かれながら、冴えない日常を力一杯輝かせる表題曲“Wake up”を放っていった。このダイナミックな響きこそが、KANA-BOONの成長の証だろう。そして“ダイバー”に“フルドライブ”、最後には「はじめて来た人には優しくしてあげてください。フェスの主役はみなさんですから」という言葉と“シルエット”の美しい余韻を残してゆく。今やもう、本当に頼もしいバンドだ、KANA-BOONは。(小池宏和)
この4日間の模様を凝縮した「ROCKIN'ON JAPAN増刊号 ROCK IN JAPAN FES.2016」は9月16日発売予定です! 全ライブアクトのセットリストは、そちらに掲載されます。