今週の一枚 ジャック・ホワイト

今週の一枚 ジャック・ホワイト

ジャック・ホワイト
『ラザレット』


オーソドックスなのに突飛に聴こえる。
CLASSICなのにEXTRAORDINARYに聴こえる。
ジャック・ホワイトの作る音楽には(もちろん偉大なるホワイト・ストライプスも含めて)常にそういうマジックがある。
そのマジックのタネの多くは、サウンドのフォルムにあった。サウンドのシルエットと言ってもいいかもしれない。
ドラムとギターの2人だけ、というホワイト・ストライプスの編成が象徴的だが、それ以外にもギターの音の異常な大きさや、ヴォーカルの音の極端な潰し方や、やたら多重に録音したコーラスや、異常に強調されたドラムの残響音や、レズリーをかけまくったオルガンの重低音など、全体のサウンドのフォルムのバランスを狂わせてデフォルメすることで、楽曲自体はクラシックでオーソドックスであってもフレッシュにモダンに聴こえる、というデザインのマジックである。

ジャック・ホワイトとしてのセカンドとなる今作で最も画期的なところは、その独特の突飛で斬新なデザインのデッサンの上に、さらに突飛な細かいアレンジのアイデアや、音の配置の工夫や、スタジオ技術による音処理などが重ねられ、もはやアンバランスの上のアンバランスなのか、普通にいいバランスなのか区別がつかない美しさにまで高められているというところだ。
本当に細かいところまで洗練され、磨き上げられていて、ヘッドホンで聴いてると頭の中が万華鏡になる。
素晴らしい。
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