今週の一枚 エイフェックス・ツイン

今週の一枚 エイフェックス・ツイン

エイフェックス・ツイン
『サイロ』
9月24日発売


13年ぶりの新作。
このクオリティーの高さは圧巻。誰もこのレベルには届いてない。ここまでのクオリティーの音楽を作れるのはリチャードしかいない、ということだけでもう説明は十分なのではないか、とレビュー放棄したくなる音のレベル。
あからさまなスタイルの新機軸はない。それが最初は意外だったが、聴き始めてすぐにそんなことはどうでもよくなってくる。その点についてあえて言うなら、もともとすべてが新機軸だったエイフェックス・ツインに追加すべき「新機軸」など必要ない、というスタンスをリチャードがあえて明確にした上での作品、ということである。ひまわりやナメクジや猫やゴジラに新しいデザインは必要ないのと同じだよ、と。
鋭角的なファンク・ビート、メロディアスに動きまわるベース、不安と不快を煽るサウンドエフェクト、逆説的なまでに牧歌的なシンセのメロ、時間の概念を裏切るカット&ペースト、などなど、手法としてはこれぞリチャード印なスタイルがすべて(意外とバランスよく)盛り込まれていて、それらが異常なまでに洗練されてアルバムの中で調和している。
「洗練」「調和」というリチャードらしくない言葉がいかにこのアルバムにおいていい意味でしっくりきているかは、聴けばすぐに分かっていただけるだろう。
リチャードの特異な音楽性が「違和感」を超えてただ「そのように存在する」という次元に置かれていることの凄さ。このアルバムはそういうアルバムだ。
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