今週の一枚 フー・ファイターズ『ソニック・ハイウェイズ』

今週の一枚 フー・ファイターズ『ソニック・ハイウェイズ』

フー・ファイターズ
『ソニック・ハイウェイズ』
7月8日(水)発売

右足の骨折にも負けず、先日の20周年記念イベントには
レーザー付き電動台座でステージに登場してみせるなど、
どうやらフジロックにも無事やって来てくれそうなデイヴ・グロールによる「今週の1枚」、というか1セット。

 ご存知の通り、フー・ファイターズの最新アルバム『ソニック・ハイウェイズ』は、
各曲を全米8都市の由緒あるスタジオにてレコーディングを敢行。
同時に各地で所縁の深い多数のミュージシャンにデイヴ自らインタビューを行ない、
1都市/1曲ごとに1時間のドキュメンタリーも制作された。

 この番組は昨年暮れに日本でもオンエアされたが、いよいよそのDVDが日本でも発売となる。
全8話が入ったディスク3枚に加え、150分の特典映像を収録したボーナス・ディスクも付き、
そちらではオバマ大統領を含む10人分のインタビューと、
各地のレコーディングの様子から未公開部分を見ることができる。

 オリジナル・メンバーだったパット・スメアを正式に復帰させ、
ブッチ・ヴィグをプロデューサーに起用した前作『ウェイスティング・ライト』は、
やはりデイヴ・グロールにとって人生の大きな節目となるような達成感をもたらしたものだったのだろう。
 そして「そこから先」を見通した時、さらにバンドがキャリアを重ねていくには、
新たなトライアルを課していかねばと彼は考えたのに違いない。
 少なくとも『ウェイスティング・ライト』を焼き増ししたようなアルバムを
作り続けていくようなマネはしたくない、
まだまだフー・ファイターズというバンドには引き出せるポテンシャルが残っているはずだ、と。

 そうして、活動休止期間中にドキュメンタリー映画『サウンド・シティ』を
撮った経験を足がかりとしながら、フー・ファイターズを次章へ向けて高め/深めていくために、
『ソニック・ハイウェイズ』という途轍もないプロジェクトを実現させたのだと思う。

 ドキュメンタリー『ソニック・ハイウェイ』を見て、あらためて凄いと感じるのは、
決してデイヴ個人の思惑が前面には出てこず、
豊かに広がるアメリカン・ミュージックを巡る楽しげな旅として映し出され、
だからこそ観る者に押し付けがましくなく、
自然に音楽への興味と愛を引き出させる内容に仕上がっていることだ。(鈴木喜之)
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