今週の一枚 ポーター・ロビンソン&マデオン『シェルター:コンプリート・エディション』

今週の一枚 ポーター・ロビンソン&マデオン『シェルター:コンプリート・エディション』

ポーター・ロビンソン&マデオン
『シェルター:コンプリート・エディション』
2月15日(水)発売

既発曲が数多く含まれたコンピレーション盤ではあるのだけれど、敢えて「今週の一枚」としているところに意味を感じてほしい。2月21日に一夜限りの「SHELTER LIVE TOUR」日本公演(@Zepp DiverCity)が行われる、ポーター・ロビンソンとマデオンの企画盤である。米国のポーター・ロビンソン24歳とフランスのマデオン22歳。今後のポップ・ミュージック・シーンを牽引してゆくことは間違いないDJ/プロデューサーの2人が共作曲“Shelter”を発表したのは、2016年8月のことだ。


アニメのショート・ムービー制作を念頭に置いた楽曲であり、原案もポーター・ロビンソンが手がけている。10月に公開されたショート・ムービーの制作は『THE iDOLM@STER』シリーズや『青の祓魔師』シリーズで知られるA-1 Picturesが担当。スクリレックスのレーベル=OWSLAからデビューして脚光を浴びたポーター・ロビンソンは、日本文化やジャパニメーション好きのアーティストとしても知られ、“Shelter”の曲調も彼自身の作風に近い。

一方、ポップ・ソングとゲーム・ミュージック、ダンス・ミュージックなどに並列に触れてきた世代のアーティストであるマデオンは、アルバム・デビュー前の2012年(当時18歳)にSONIC MANIAでの初来日へと招かれたほどの俊英で、オーディエンスから見えるように機材を配置したエンターテインメント性の高いライブと、ポップなソングライティングを武器に活躍してきた。

“Shelter”リリース後に北米で繰り広げられてきたジョイント・ツアーである「シェルター・ライブ・ツアー」は、既に絶賛の声が数多く上がっている。日本人好みの繊細な情緒が音の粒と化して降り注ぐポーター・ロビンソン曲と、技巧派かつクリエイティブなDJパフォーマンスが注ぎ込まれるマデオン曲がマッシュアップされ、最高の映像演出とシンクロしてゆくはずだ。想像するだけでワクワクさせられる。

今回のコンピレーション盤『シェルター:コンプリート・エディション』には双方の代表曲やリミックス曲がコンパイル(監修も2人によるもの)されており、入門ガイドとしてもアルバム音源としても素晴らしい内容だ。EPのカップリング曲だったマデオン“Pay No Mind (feat. Passion Pit)”の中田ヤスタカ(CAPSULE)リミックスも収められている。これは、マデオンがリスペクトする中田ヤスタカに依頼したトラックだった。

日本という国が丸ごと自分探しをしていて、海外の人に日本の価値を認めてもらうような風潮は好きになれないけれど(個々のクリエイターや作品が認められているだけだ)、日本文化をインスピレーション源に斬新でユニバーサルな自己表現を達成してくれる若いアーティストがいてくれるのはやはり嬉しい。コンピレーションとライブ、ぜひ注目してほしい。(小池宏和)
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