今週の一枚 ザ・ストラッツ『ヤング&デンジャラス』

今週の一枚 ザ・ストラッツ『ヤング&デンジャラス』

ザ・ストラッツ
『ヤング&デンジャラス』
10月26日(金)発売


こういうことがあるからバンドを追いかけるのは止められない。何があったんだ、こいつら、という言葉が自然に口をつく。それほどこのセカンド・アルバム『ヤング&デンジャラス』のストラッツは、挑戦心と自信、確信に満ちている。

デビュー作『エヴリバディ・ウォンツ』のオリジナル版が出たのが14年のこと。それを16年にアメリカ向けバージョンとして出し直したりもしたのだが、本人たちも認めているように統一感にやや欠けたものだった。ストーンズを始めガンズ・アンド・ローゼズフー・ファイターズらのサポート・アクトを務めるなど、大きな期待と可能性を背負ってもいるのはよくわかったし、フェスや単独公演などで日本のファンもその魅力とバンドのポテンシャルの高さは認めていた。あと必要なのは、コレを聴け!と突き出す一枚だけだったがそれがついに登場だ。


アルバムは先行シングルで、超アッパーな“ボディ・トークス”でスタートし(MVにも出ているケシャをゲストに迎えたバージョンも最後に収められている)、さらにグラマラスなテンションがくり広げられる“プリマドンナ・ライク・ミー”へとつながり、この2曲だけで完全に狂乱モード体制が出来上がる。T・レックスボウイのグラム・エッセンスにニューヨーク・ドールズが乱入し、デカダンスの香りが盛大に増すようになり、タイトルに“デンジャラス”の言葉を掲げたのも納得。


中盤、少しテンポを落としシンガロングにぴったりの“ブレットプルーフ・ベイビー”やファンキーなニュアンスも盛り込んだ“フー・アム・アイ?”、フレディ・マーキュリーの再来とルーク・スピラーが騒がれたことをすぐに思い出すほどクイーンの世界も視野に収めた“ファイアー(パート1)”、“タトラー・マガジン”、“アッシズ(パート2)”、クールダウンさせるようにじっくりと訴えかける“サムバディ・ニュー”など全体の構成やデザインもみごと。一昨年あたりから猛烈な数のライブをこなし、自分たちの世界へオーディエンスを巻き込んでいく経験を積んできたからこそ、各楽曲の魅力を引き出し、膨らませるスキルが激しく向上している。


ルークは「これには僕らの血と汗と涙(Blood Sweat & Tears、もちろん60年代のバンドにかけている)を注ぎ込んできた」「これらの曲が「人生」という名のクレイジーな出来事の完璧なサウンドトラックとなることを願っている」と語ったがその言葉がいちいち頷ける説得力を持ったアルバム。どんな騒ぎを引き起こしてくれるか注目だ。 (大鷹俊一)
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