そう、つまりこれまでポルカは意識的に時代が求める音として、ギターロックのサウンドを作り上げてきた。つまり雫が言うところの「リスナーのニーズに応えた」ものとしての邦ロックだったのである。しかし今回この“ラブコール”では、初めて自分が音楽について思うことをストレートに歌詞にして、「流行り」とは違う部分で「ロック」を表現した。ここに明らかなのは、ロックに「NO」を突きつけたのではなく、ポルカはすでにひとつのジャンルとしての「ロック」を普遍的な表現として身につけているということだ。だからこそ、「それを声高に語ることも本来の意図とは違う」という意思表示を、この楽曲から感じるのだと思う。曲調やスタイルがまったくバラバラな曲が集められたアルバムが、結果として色濃いコンセプトを体現していて、なんら説明的な文脈で語られているわけでもないのに一貫したメッセージを読み取ることができる作品になっているのは、ポルカドットスティングレイの、というより主導者である雫の良い意味での計算高さの為せるワザである。雫の言葉の表層だけを追っていると、バンドの本質を見誤ることになるし、そもそも結成からまだ4年のバンドが、これほど多様な音像をハイレベルで具現化できているということにも注目すべきと思う。というわけで、ぜひともこの最新作では「ロックではない」ポルカと、強烈に「ロック」なポルカ、その表裏一体のアンビバレンスを楽しんでほしい。(杉浦美恵)
【今週の一枚】ポルカドットスティングレイの新アルバムで到達したロックを超越した『有頂天』とは?
2019.02.07 12:30
そう、つまりこれまでポルカは意識的に時代が求める音として、ギターロックのサウンドを作り上げてきた。つまり雫が言うところの「リスナーのニーズに応えた」ものとしての邦ロックだったのである。しかし今回この“ラブコール”では、初めて自分が音楽について思うことをストレートに歌詞にして、「流行り」とは違う部分で「ロック」を表現した。ここに明らかなのは、ロックに「NO」を突きつけたのではなく、ポルカはすでにひとつのジャンルとしての「ロック」を普遍的な表現として身につけているということだ。だからこそ、「それを声高に語ることも本来の意図とは違う」という意思表示を、この楽曲から感じるのだと思う。曲調やスタイルがまったくバラバラな曲が集められたアルバムが、結果として色濃いコンセプトを体現していて、なんら説明的な文脈で語られているわけでもないのに一貫したメッセージを読み取ることができる作品になっているのは、ポルカドットスティングレイの、というより主導者である雫の良い意味での計算高さの為せるワザである。雫の言葉の表層だけを追っていると、バンドの本質を見誤ることになるし、そもそも結成からまだ4年のバンドが、これほど多様な音像をハイレベルで具現化できているということにも注目すべきと思う。というわけで、ぜひともこの最新作では「ロックではない」ポルカと、強烈に「ロック」なポルカ、その表裏一体のアンビバレンスを楽しんでほしい。(杉浦美恵)