今週の一枚 MAN WITH A MISSION『Raise your flag』

今週の一枚 MAN WITH A MISSION『Raise your flag』 - 『Raise your flag』初回生産限定盤『Raise your flag』初回生産限定盤

10月13日の名古屋、10月16日・17日のさいたまスーパーアリーナと、いよいよゼブラヘッドとのオオカミ×シマウマによるスプリットツアー「Out of Control JAPAN Tour 2015」が目前に迫るMAN WITH A MISSIONだが、そのタイミングでニューシングル『Raise your flag』もリリースされる。この辺りで一度整理しておきたいのだが、2015年のMWAMは、リリースもライヴツアーも、本当にとんでもないことになっていると思うのだ。

今年1月1日にリリースされた『5 Years 5 Wolves 5 Souls』は、デビューから『Tales of Purefly』の壮大なロックエピックまでの5年間を総ざらいする意図があった。言い換えれば、MWAM新章の予兆でもあったわけだが、その後、アニメ『七つの大罪』テーマ曲や映画『新宿スワン』主題歌を収めたシングル『Seven Deadly Sins』を発表し、米国の人気ミクスチャーバンドであるゼブラヘッドと合作した“Out of Control”は、映画『マッドマックス 怒りのデス・ロード』日本版エンディングテーマとしてスプリットシングルが制作された。大きな話題を集める映像作品とコラボしながら、濃密な楽曲を量産する一方で、12月にかけては今年2本目となるヨーロッパツアーが予定されている。この生き急ぎ方、新しい領域にガンガン踏み込む姿勢はいったい何なのだ、という話である。

ニューシングルの『Raise your flag』。性急なパンクサウンドとストリングスアレンジが一緒くたになった表題曲“Raise your flag”は、これまた新作アニメ『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』オープニングテーマであり、トーキョー・タナカ(Vo)が歌うコーラスは強靭な自尊心を抱えたまま、しゃにむに理想を追い求め彷徨っている。カップリング曲“STELLA”は、豪快かつ美しいギター音響が迫るロックチューンであり、全編日本語の歌詞は、夢と自由のあり方をリスナーに問いかけるようだ。そして“Far”は、『Tales of Purefly』を締めくくった“Dancing On The Moon”を思い起こさせる、宇宙空間を漂うような無限の視界と寂しさを伝える一曲。“Seven Deadly Sins”のリミックスを含め計4曲、やはり今回も、シングルとはいえ聴き応えはずっしりと重厚である。

『Raise your flag』は、MWAMの今のモードを読み解くための重要な鍵となる作品だ。デビューから5年で大きな支持を集め、話題の映像作品とタイアップしながら、しかしMWAMは安住の地に踏みとどまろうとしていない。孤独のリスクを背負いながら更なる夢と理想を求めて旅を続け、世界のどこかで新たな仲間と出会う。現在発売中の『ROCKIN’ ON JAPAN』11月号インタヴューで、ジャン・ケン・ジョニー(G・Vo・Raps)は「つまんねえ話」と前置きしながら、一人称の歌詞を綴る傾向について語っている。インタヴュアーの小栁大輔氏は「いやおもしろいですよ」と応えているが、僕もめちゃめちゃおもしろい話だと思う。

夢や理想を追い求めることは、いつだって孤独と隣り合わせだ。デビュー以来の熱狂の最中にありながら、MWAMはあらためてその思いを伝えようとしている。例えば、リスナーそれぞれの孤独な旅の集結地として、MWAMのライヴがあるとするならどうだろう。「Out of Control JAPAN Tour 2015」が、ますます楽しみになってこないだろうか。(小池宏和)

“Raise your flag”ミュージックビデオ
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