【今週の一枚】ポルカドットスティングレイは新作『ハイパークラクション』で何の“バケノカワ”を剥ぎ何の“オトシマエ”をつけるのか?

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ポルカドットスティングレイの最新作『ハイパークラクション』。CDのみに収録されるボーナストラック2曲を含めた計7曲、まったくもって毛色の違う楽曲が揃った。まさにポルカの七変化を味わえるミニアルバムと言っていい。ミニアルバムやEPは曲数が少ないぶん、1曲1曲の存在感が重要である。これまでもずっとキャッチーでインパクトの大きい楽曲やMV、ジャケットを作ってきた彼女たちにとって、お誂え向きともいえる作品形態だ。

『ROCKIN'ON JAPAN』2019年11月号に掲載されている雫(Vo・G)のインタビューによると、今作のテーマは「コマーシャルや広告について考える」。その理由は“バケノカワ”が「コマーシャルソングを作る」ということをテーマに書き下ろした「専門学校 モード学園(東京・大阪・名古屋)2019年度TVCM『承認欲求』篇CMソング」であり、“オトシマエ”がCM制作側から「もっと尖った曲を書くとどうなりますか?」というオーダーのもと書き下ろした楽曲だからとのこと。2曲とも「承認欲求」や「人と違うことをする」というテーマを持ちつつも、コマーシャルソングにおける表と裏、両極端の解となった。

CMに重要なのは「インパクト」。それは先述のとおり、ポルカが極めてきたものでもある。CMは15秒や30秒が主流で、近年はYouTubeの大成により6秒広告も増えてきた。より興味を引き、耳に残るCMソングが求められるなか、ポルカが出した表の解が“バケノカワ”だ。コントのBGMになりそうなヘンテコで粒立ちのいい各フレーズで幕を開けつつも、サビでそれらのフレーズを一気に回収し、キャッチーでリズミカルなハイトーンメロディへと集約させる。爽快な大どんでん返しを見ているようだ。エッジーでクールな楽曲を多く起用してきたモード学園のCMの歴史のなかで、かなり斬新な切り口をすることで「人と違うことをする」というテーマを実現させるところも抜かりない。


“オトシマエ”は裏の解ということで、イントロからまず耳を劈くカオティックなバカテクの嵐。スポークンワードと変拍子が入り乱れるアグレッシブな演奏や、人と違うことをすることで出る杭は打たれてしまう葛藤を描いた歌詞など、曲が終わるまでの約3分間総動員で常識や枠にとらわれていないことを体現している。《今この30秒を永遠にしたくなるの》というラインは象徴的だ。CMソングという制限のなかで突飛なことをする“バケノカワ”と、CMソングの概念をひっくり返す“オトシマエ”。2曲ともその定義に真っ向から対峙したからこそ生まれたものだ。

彼女たちにとって「人と違うことをする」ということは、「過去の自分たちとも違うことをする」ということなのだろう。同作に収録されている楽曲も、ブラックミュージックをポップスに昇華した“おやすみ”、直球ギターロック“阿吽”など趣向の異なるものばかりだ。「らしさ」を捨てて、次々と新しいものを発信するために心血を注ぐ――『ハイパークラクション』からはそんな彼女たちの逞しさと覚悟を感じ取れるだろう。(沖さやこ)

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