【今週の一枚】THE ORAL CIGARETTESが新章の幕開けのベストアルバムに最も濃度高い核を込めたのはなぜか?

【今週の一枚】THE ORAL CIGARETTESが新章の幕開けのベストアルバムに最も濃度高い核を込めたのはなぜか? - 『Before It’s Too Late』『Before It’s Too Late』
メジャーデビュー5周年を迎えたTHE ORAL CIGARETTESによる初のベストアルバム『Before It’s Too Late』。全39曲はメンバーセレクトによるもの。シングル表題曲やアルバムリード曲を中心としたDISC1は入門編にうってつけ。DISC2は影の名曲集と言うべき内容になっている。

人間の感情のドロッとした部分と徹底的に向き合う山中拓也(Vo・G)のソングライティングと、陰と陽を増幅させるアグレッシブなサウンドで以って「ダークヒーロー」としての存在感を確立。その不敵さで多くのロックファンを魅了していったTHE ORAL CIGARETTES。アーティストの姿勢が最もよく表れるのはベストアルバムだとよく言うが、この作品もまさにそういう内容になっており、バンドの二面性を存分に堪能できる作品になっている。「二面性」というワードがオーラルにとって如何に重要なのか、という話については、先日別の記事で語らせてもらったのでそちらに譲りたい。

現時点での集大成といえる作品ではあるが、ここで注目しておきたいのが、「Redone Version」と称した既存曲のリアレンジ版。トラックの作り方からして明らかにこれまでと違っていて、それぞれ原曲から大胆な変貌を遂げているのだ。この6曲はきっと未来への布石だ。

ベストアルバムといえばキャリアの節目でリリースされるパターンが多い。おそらくこのバンドの場合、「5周年でキリがいいからこの辺りで記念碑を建てておこう」的な温度感ではなく、次のフェーズへと繰り出すために「これまでのおさらい」を行う必要性が生じた、だからベストアルバムをリリースすることにした、という流れだったのだろう。

この5年間がバンドシーンで天下を獲るという番狂わせの物語だとしたら、次章の舞台はもっとでっかい。彼らにベットするかどうかはあなた次第だが、どうせ乗っかるならばこのタイミングが吉だろう。そう、手遅れになる前にね。(蜂須賀ちなみ)


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