今週の一枚 [ALEXANDROS]『Mosquito Bite』

今週の一枚 [ALEXANDROS]『Mosquito Bite』 - 『Mosquito Bite』通常盤『Mosquito Bite』通常盤
前作シングル表題曲“KABUTO”での極太リフへの全身全霊直結ぶりにも驚かされたが、8月の初スタジアムワンマン=「VIP PARTY 2018」を目前に控えリリースされるニューシングルのタイトルナンバー“Mosquito Bite”は、今の[ALEXANDROS]の迷いなき「ロック鍛錬道」爆進状態をよりいっそうくっきりと浮かび上がらせる、決定打的な一撃である。

川上洋平のハイトーンが映えるアンセミックなメロディをサビとして備えつつも、それを性急な加速感や弾むような躍動感ではなく、大地丸ごと揺さぶるかのようなタフなスケール感とともに配した“Mosquito Bite”。
聴く者すべてを圧倒しながら抱きしめるようなダイナミックなリフワークをステレオの音像狭しとのたうち回らせ、ローピッチにセッティングされたドラムのハイエナジーな響きとせめぎ合わせることで、幾多の先人が挑んできたロックのロマンの「その先」への扉をこじ開ける――ギミックや新兵器の力によってではなく、ロックの核心そのものを研ぎ澄ませることで新次元へと到達しようとする、実に挑戦的な楽曲だ。

ご存知の通り、“Mosquito Bite”は7月20日公開の映画『BLEACH』主題歌として提供されており、カップリングの“MILK(BLEACH version)”も同映画作品の挿入歌としてフィーチャーされている。“Mosquito Bite”と映画『BLEACH』のコラボレーション特別映像を通してこの楽曲に触れることで、「ロックで人智と常識を凌駕する」とでも言うべき凄絶なまでの[ALEXANDROS]の現在地のリアルが、抗い難い熱量とともに伝わってくる。


「NYへ武者修行的に曲を作りに行った時の、へこたれないための自分たちの主題歌でもありました」――“Mosquito Bite”についてそんなふうにコメントを寄せていた川上洋平。新たな戦場に身を投じることで、己の楽曲と音像を格段にブラッシュアップしているバンドのモードが結晶した1枚であることは間違いない。秋には新作アルバムの発売がアナウンスされている[ALEXANDROS]から放たれる、ロックへの超弩級の挑戦状であり真っ向勝負のラブレターでもあるような作品だ。(高橋智樹)
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