今週の一枚 UVERworld 『I LOVE THE WORLD』

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    『I LOVE THE WORLD』初回生産限定盤

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UVERworld
『I LOVE THE WORLD』
2015年8月26日(水)発売


UVERworldが掲げているメッセージは、究極的には「人生には永遠にゴールも勝利もない。それでも、いやだからこそ、僕らは夢を抱いて生きていくしかない」ということだ。2012年のシングル曲“THE OVER”で《テレビの中の俳優や大富豪やビッグスターなら/君を満足させれるだろう そして幸せにもするだろう/でも僕は君を想うしか無い》と歌った時点でとっくにドーム単独公演を成功させており、世間的に見れば明らかに「ビッグスター」側の人だったTAKUYA∞にとってはしかし、ドームもセールスも「終わりなき道程のランドマーク」にすぎなかった――ということを、《後ろに明日は無い 力を宿せWAR》(“Fight For Liverty”)と凄絶に突き上げた昨年のアルバム『Ø CHOIR』がはっきりと物語っていた。そして……その「永遠にゴールなき闘い」の凄味が、ニューシングル『I LOVE THE WORLD』にも高純度で結晶している。

前作シングル『僕の言葉ではない これは僕達の言葉』の時点で、アルバム『Ø CHOIR』以上に熱くダイレクトなTAKUYA∞の衝動炸裂ぶりと言葉の切れ味を十分アピールしていたUVERworldが、『僕の〜』からわずか3ヶ月で撃ち放つ『I LOVE THE WORLD』。大胆なEDMアレンジをフィーチャーした“I LOVE THE WORLD”のハイブリッド&パワフルな音像とともに、《「いつか」は もう今日だ》と一瞬一秒を生き急ぐ切迫感を掲げ、《大人を手本にすれば》《未来は暗いと証明されてる》と突き上げながら《なにお前 愛出し渋ってんだよ》《無い愛を作って叫んでみろよ》と聴く者の魂の扉をでっかく開け放っていく。そんなTAKUYA∞のモードは、前述の《でも僕は君を想うしか無い》(“THE OVER”)からさらに大きくロックの核心へ踏み込んだものであることがわかるし、音楽で人の心に作用し「その先」へ導く覚悟に満ちている。

さらに、カップリングの“PRAYING RUN”。ファンキー&グラマラスなミクスチャーサウンドに乗せて、《俺がお前に勝つとか負けるとか》《これが叶うのか叶わねぇのか》《つき合うとか 合わねぇとか》とクールなフリした単なる優柔不断さを鋭利なラップで指摘し《全部やって確かめりゃいいだろう》と片っ端から無効化していく。そんな“PRAYING RUN”の終盤、TAKUYA∞は《努力をせずに夢が叶った人と 努力をしても叶わなかった人/たとえ僕は叶わない人だとしても この足を止めはしないだろう》と歌うのである。自身の栄光すら振り切って突き進むようなUVERworldの、TAKUYA∞の加速度的な進化を、今作は戦慄必至のリアルさをもって告げている。(高橋智樹)
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