今週の一枚 ONE OK ROCK『ONE OK ROCK 2017 “Ambitions” JAPAN TOUR』

今週の一枚 ONE OK ROCK『ONE OK ROCK 2017 “Ambitions” JAPAN TOUR』 - LIVE DVD&Blu-ray『ONE OK ROCK 2017 “Ambitions” JAPAN TOUR』LIVE DVD&Blu-ray『ONE OK ROCK 2017 “Ambitions” JAPAN TOUR』
今年3月〜4月に大阪/東京/名古屋/福岡を巡った4大ドームツアー「ONE OK ROCK 2018 AMBITIONS JAPAN DOME TOUR」は、昨年2月から行われた「ONE OK ROCK 2017 “Ambitions” JAPAN TOUR」とその前後のワールドツアーのあまりにも壮大な「凱旋公演」でもあった。
そして――その東京ドーム公演を目の当たりにしたタイミングで改めてこの映像作品に触れることで、昨年のツアーの真価が改めてくっきりと浮かび上がってくるように思えた。

全32公演・30万人動員というスケールで行われた「“Ambitions” JAPAN TOUR」から、さいたまスーパーアリーナ公演の模様を収録した今作。
序盤から“Bombs away”、“Taking Off”、“20/20”といった最新アルバム『Ambitions』の楽曲群(“Lost in Tonight”を除く全曲)をライブの軸に据えながら、“Deeper Deeper”、“Cry out”、“Clock Strikes”などキラーナンバーを惜しげもなく織り込んで、死角ゼロのハイエナジーなロック空間を生み出しているのも、もちろんこの作品の大きな魅力ではある。
だが、今作で最も印象に残ったのは、メジャーデビューから10年を経て、日本のロックシーンを最前線で牽引し世界と対峙する存在となったONE OK ROCKが、なおも道標もロールモデルもない「その先」の闘いの道を志すがゆえの、Takaらメンバーのひときわ真摯で切実な視線だった。

「ここから先の10年、同じことをやるか?って言われたら、僕の中で答えは『NO』でした。これからのONE OK ROCKは、自分たちがしっかりと夢に向かって走っていくそんな姿を見て、『自分たちも頑張んなきゃいけないな、背中を押されてるな』って感じてほしいなと、心の底からそう思います」

「冷たいことを言うようだけど……『ONE OK ROCKがなきゃ生きていけない』なんていう寂しいことを言ってるようじゃ、ぶっちゃけ自分の夢になんか到底追いつきません。なぜなら、俺らは俺らのために音楽をやり、自分たちのために今日を生きてるから」

たまアリの熱気まで伝わってくるようなライブ映像の後半、Takaがそんなシビアな言葉をオーディエンスに静かに語りかけるMCの様子が今作には収められている。
ONE OK ROCKに追いつき追い越すようなでっかい夢や希望を後押しするために、己の才気と情熱のすべてを注ぎ込んで、ロックの高純度結晶の如き楽曲を作り上げ響かせていく――。栄光やスターダムを求めるサクセスストーリーとは一線を画して彼らが向き合う命題は言い換えれば、「リスナー/オーディエンスを夢へと突き動かしていくために、自分たちがいかにして希望そのものであり得るか」ということだ。

ドームツアーの舞台でも「ONE OK ROCKというバンドは、もうそろそろ『第1章』にピリオドを打って、『第2章』の幕開けを迎えてもいい時期なんじゃないかなって」とTakaは語っていた。普通に考えれば、それこそ活動の「ゴール」に設定するバンドがいてもおかしくない巨大ツアーをも成功させた今、4人がさらに挑む闘いとは?――と考えるだけで気が遠くなるような話だ。
が、今作に収められた昨年のツアーの映像から伝わってくるのは、自力で道を切り開いて突き進んできたからこそ「道なき道」を前にして燃え盛る、彼らのどこまでもタフで揺るぎないファイティングスピリットだ。今作のサウンドスケープのスケール感以上に、その途方もない闘争心に胸打たれる名作。各地のゲストアーティストの表情も収めたDisc 2のドキュメント映像と併せて、ロックを愛するひとりでも多くの人に観てほしいと思う。(高橋智樹)
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