ONE OK ROCK
『35xxxv』
2015年2月11日発売
日本のロックは大丈夫だ、と思わせてくれる。
このアルバムがNo.1になれば日本のロックはぜんぜん大丈夫だ、
と思わせてくれるアルバムだ。
アメリカのプロデューサーとアメリカで作ったアルバムで、
これまでのアルバムの枠を超えるアレンジ/サウンドが飛び交っている。
だが、それによって逆にONE OK ROCKの姿勢と意志が剥き出しになった。
「未来をつくる」という明確な姿勢と意志だ。
今の日本の音楽シーンの現状も限界も飛び越えて自分達の未来をつくるんだという姿勢と意志が、
この新しい音に宿っている。
そしてその姿勢と意志に多くのリスナーを巻き込んでいくための力もこのアルバムには十分にある。
すべての曲でメロの最強ポイントとMAXのエナジーを畳み掛け、
さらにこれまでの日本的なエモいメロディーよりもシンプルでスケールアップした大陸的なメロディーが加わった。
“ Paper Planes”や“Good Goodbye”にそれははっきりと出ている。
アメリカでレコーディングしたことの最大の成果は、
実はサウンドの変化よりもこの新たなメロディーを獲得したことにあるんじゃないかと僕は思っている。
ユニバーサル(世界共通)な音への進化と、ユニバーサルなメロディーの獲得−−−−−
それがONE OK ROCKの海外進出の本質だ。
海外ツアーとか海外リリースというのはその姿勢の具体的な印でしかない。
もともとTakaは怨念や闇と閉じた心を抱えて音楽シーンに登場したが、
そんな自分を乗り越え、バンドを取り巻く混乱や曖昧さをも乗り越え、
そしてバンドとともに日本のシーンを包んでいる限界をも超えようとしている。
半端ない覚悟だと思う。
それがこのアルバムの音から伝わってくる。
このアルバムを1位にする国なら、日本のロック・シーンは大丈夫だと思う。
(山崎洋一郎)